写真1 アームの西嶋貴史氏
英ARM社の日本法人アームは2009年6月、愛知県名古屋市内で『ARMソリューションセミナー2009 in Nagoya』を開催した。名古屋地区でカーエレクトロニクス製品を開発する企業の技術者が招待され、ARMコアのマイコンを展開する半導体メーカーによる車載向け製品に関する発表が行われた。
セミナーの冒頭で、アームの社長を務める西嶋貴史氏(写真1)がARMコアの最新動向について報告を行った。その中で西嶋氏は、「現在、ARM社のマルチコア向けプロセッサコアには、『ARM11 MPCore』と『Cortex-A9 MPCore』の2つがある。2009年後半には、リアルタイム制御系向けに、Cortex-A9 MPCoreよりも性能は少し抑えながら消費電力を小さくしたマルチコアプロセッサ『Sparrow(開発コード)』を投入する予定だ。パイプラインは8段程度を想定している」と語った。
写真2 Cortex-A9 MPCoreベースのテストチップと評価ボード
また、NECエレクトロニクス(以下、NECエレ)からも、ARMベースのマルチコアプロセッサ開発に関する最新状況が報告された。NECエレは、2007年10月にARM11 MPCoreを採用したカーナビゲーションシステム向けのマルチコアプロセッサ「NaviEngine」を発表し、2008年からはCortex-A9 MPCoreに関する共同開発も行うなど、ARM社にとってはマルチコアプロセッサに関する有力なパートナーとなっている。NECエレのマイクロコンピュータ事業本部 自動車システム事業部でグループマネジャを務める吉田正康氏は、開発中のCortex-A9 MPCoreベースのテストチップと評価ボードを披露した(写真2)。テストチップのコア数は4個で、1コア当たりの処理能力は400MHz動作時に400MIPS(1MIPSは1秒間に100万回の命令処理能力)である。各コアは、マルチメディア処理回路「NEON」を内蔵する。吉田氏は、「処理能力は低いものの、Cortex-A9 MPCoreを使ったプロセッサのソフトウエア開発を加速できるようになるだろう」とコメントした。
(朴 尚洙)