写真1 InvenSense社のSteve Nasiri氏
米InvenSense社は、同社のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプのセンサーを組み合わせることにより、3軸の角速度と3軸の加速度、計6軸のセンシングを省スペースで実現する技術を開発した。2009年内に発売予定の製品は、プリント配線板への実装時の容積が7mm×7mm×1.2mmとなる見込み。2010年には、さらに省スペース化を進め、実装時の容積を5mm×5mm×0.9mmまで低減する計画である。
InvenSense社は、民生機器向けのMEMS角速度センサー(ジャイロ)を開発/供給しているベンチャー企業である。2006年からファウンドリによる委託生産を開始し、すでにデジタルカメラの光学式手振れ補正用途などに採用されている。現在は、X/Yの2軸の角速度を検知するMEMSジャイロを、月産数百万個の規模で量産するまでに、企業の規模を拡大している。同社の社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるSteve Nasiri氏(写真1)は、「2009年は、売上高で前年比5倍の成長を見込む」と語る。
規模を拡大する一方で、MEMSジャイロの小型化や、MEMSタイプの3軸加速度センサーの独自開発なども平行して進めている。2009年内に発売する、6軸のセンシング技術を用いた製品は、X/Y軸のジャイロ、Z軸のジャイロ、3軸加速度センサーという3つのMEMSセンサーから構成される。2010年には、「X/Y/Zの3軸を検知できる小型のジャイロと3軸加速度センサーの2チップ構成にする」(Nasiri氏)予定だ。
Nasiri氏は、今後の事業展開を行う上でのキーワードとして「Motion Processing」を挙げた。同氏は、「ゲーム機や携帯電話機などの民生機器に、機器の動きを検知する『Motion Sensing』のために3軸加速度センサーが搭載されるようになった。しかし、今後は3軸加速度センサーに加えて角速度センサーを搭載することにより、『Motion Sensing』よりも進化した『Motion Processing』が求められるようになるだろう。その先進的事例として挙げられるのが、任天堂のゲーム機『Wii』のコントローラアダプタ『Wii MotionPlus』だ」と説明する。
Wiiのコントローラである「Wiiリモコン」には3軸加速度センサーが搭載されている。このWiiリモコンの底部に、MEMSジャイロを搭載するWii MotionPlusを接続することで、従来よりも3次元空間での動きをより素早く、より正確に反映することが可能になる。そして、このWii MotionPlusには、InvenSense社のMEMSジャイロが採用されている。「こういった『Motion Processing』の需要は、ゲーム機や携帯電話機にとどまらない。北米では、米Intel社や米Microsoft社が、テレビのリモコンとポータブルメディアプレーヤの機能を統合した製品の開発を推進している。また、中国では、ケーブルテレビ用セットトップボックスのリモコンを使ってゲームを行うというスタイルが生まれている。このように、リモコン向けのMEMSジャイロや6軸センシングの需要は大きい」(Nasiri氏)という。
(朴 尚洙)