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BluetoothやWi-Fiなどを統合したマルチ無線IC、
相互干渉を抑えつつ小面積化を実現

[issued: 2009年5月7日]
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CSR9000を実装したモジュール
写真1 CSR9000を実装したモジュール
村田製作所の試作モジュール。中央にあるのがCSR9000。
シーエスアール社長の横山氏
写真2 シーエスアール社長の横山氏

 英CSR社の日本法人シーエスアールは2009年4月、Bluetoothをはじめ、Wi-Fi、GPS(全地球測位システム)、FMなどの各種無線機能を統合した同社IC製品群に関する記者説明会を実施。同社ICの設計思想や特徴について、各種デモンストレーションを交えて説明を行った。

 CSR社は2009年2月に、Bluetooth機能とGPS機能、FMトランシーバ機能を統合した「BlueCore BC7830」、IEEE 802.11a/b/g/nに対応した「UniFi UF6000」、Bluetooth機能、Wi-Fi機能、GPS機能、FMトランシーバ機能を2チップで実現する「CSR9000」を発表している(写真1)。いずれも、CMOS製品であり、デジタル回路、アナログ回路、RF回路を集積している。すでにサンプル出荷を開始しており、2009年内に量産を開始する予定だ。

 同社の製品は、複数の無線機能を統合して提供する点を特徴とする。同種の製品は他社も供給しているが、シーエスアール社長の横山崇幸氏(写真2)は、他社品の問題点として、「同様の機能を備える他社製品は、既存のチップを『単に1つにまとめただけ』というレベルのものが多い。このアプローチには、製品化までの時間を短縮できるというメリットがある。しかし、この手法は、いくつかの欠点も抱えている。1つは、本来であれば、共通化できる部分をそのまま1チップ化してしまうため、チップ面積が肥大してしまうことだ。もう1つは、複数の無線機能を同時に使用した場合に、相互に干渉が生じて、スループットの劣化やノイズの発生などの形で無線性能が著しく劣化してしまうことだ」と指摘する。

 それに対し、CSR社の製品は、上記のような問題が発生しないようなアーキテクチャ/設計方針を採用しているという。すなわち、共通化が可能な部分は極力共通化を進めつつ、同時動作による相互干渉を生じさせないことを目標としている。一例だが、Bluetooth、FM受信、Wi-Fiの各機能を統合した他社製品の場合、65nmプロセスを用いてチップサイズが36mm2。CSR9000では、これにGPS機能を加えて、2つのチップサイズ(それぞれ製造プロセスは65nmと90nm)の合計は、27mm2に抑えている。CSR社製品でチップサイズ削減を実現できている大きな理由として、横山氏は「チップに集積するインダクタの数を少なく抑えていること」を挙げる。実際、他社品ではインダクタが39個使われているのに対し、CSR9000では16個しか使用していない。「当社の前身は、CMOS RF回路の設計コンサルティング企業であった。CMOS RF回路の設計ノウハウを生かして、インダクタ数の削減を実現している」(横山氏)と説明している。

 また、相互干渉の問題について、他社品の例では、Bluetooth機能の稼働中には、Wi-Fiのデータ転送速度が著しく低下したり、アクセスポイントに接続できなかったり、FM受信機がノイズを拾ってしまったりといった問題が顕在化しつつあるという。それに対し、CSR社の製品は、「同時動作を前提とし、独自の『Co-Ex機能(無線干渉制御機能)』を採用することで、こうした問題を回避している」(横山氏)と説明している。UniFi UF6000を例にとると、Bluetoothと同時にWi-Fi通信を行った場合で、他社品に比べて2倍以上のスループットを確保しているという。

 また、複数の無線機能を利用可能な機器とするには、各無線機能に対応したソフトウエアを個別に開発する必要がある。それに対し、CSR社は各種無線機能を包括的にサポートするソフトウエアプラットフォーム「Synergy」を提供することで、この問題を回避している。各種無線方式に対応した機能があらかじめ提供されるので、機器設計者はその中から必要なものだけを選択して利用したり、必要な機能を共通API(Application Program Interface)を利用して開発したりすることで、迅速にソフトウエアを用意できるという。

(飴本 健)

  • 参考 シーエスアール
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