写真1 「MB86H56」の評価ボード
写真2 「MB86H60」の評価ボード
富士通マイクロエレクトロニクスは、『第12回ESEC(組込みシステム開発技術展)』(2009年5月13日~15日)において、画素数が1920×1080のフルHD(高品位)映像をH.264方式でエンコード/デコード処理できるH.264コーデックIC「MB86H56」の評価ボード(写真1)や、欧州のHD放送向けに、MPEG-2およびH.264の双方の映像圧縮方式に対応したフルHDマルチデコーダIC「MB86H60」の評価ボード(写真2)などを展示した。
MB86H56はフルHDでの60フレーム/秒の処理に対応したコーデックで、512Mビットの同社独自メモリーFCRAM(Fast Cycle RAM)を内蔵している。外形寸法が15mm×15mmの小型パッケージで供給され、エンコード時の消費電力は700mWを実現している。会場では、実際に同ICを用いたデコード映像のデモを行っていた。MB86H60は、欧州のデジタル放送規格DVBに準拠しており、MPEG-2/H.264のフルHDデコード処理機能に加えて、HD放送受信に必要なデジタル映像/音声/グラフィックスの処理機能を1チップで実現することができる。
また、同社は2009年5月にリリースしたトランスコーダIC「MB86H57/58」も紹介した。MB86H57/58は、MPEG-2方式とH.264方式の映像データおよび音声データを低消費電力で変換することが可能であり、HDD(ハードディスクドライブ)レコーダやパソコンなど、デジタル放送の録画機能を搭載した機器の用途に向ける。同ICは、トランスコード機能に加え、セキュリティ機能など、必要な各種機能を1チップで実現しており、フルHDでのトランスコード時の消費電力は1.0Wを実現している。MB86H57は650ボールのFBGA、MB86H58は496ボールのPBGAで供給される。いずれも、2009年7月からのサンプル出荷開始を予定しているという。
このほか、同社は組み込み向けマルチコアプロセッサ「FR-Vファミリ」用の開発プラットフォームとして、「Fujitsu Embedded Software Framework」の紹介を行った。これを利用することで、FR-Vファミリのユーザーはハードウエア変更後も既存のソフトウエア資産を活用することが可能になり、開発コストやリスクの低減、資産の継承、ハードウエア構成に依存しないプログラミングモデルによる性能向上が図れるという。
(鉄井 亮一)