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【ESEC】Kontron社、多様な産業用組み込みボードで
日本市場でのシェア拡大を狙う

[issued: 2009年5月22日]
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「pico-ITX」
写真1 「pico-ITX」
「KTC5520-EATX」
写真2 「KTC5520-EATX」
「nano ETXexpress-SP」
写真3 「nano ETXexpress-SP」
基板サイズは55mm×84mm。

 ドイツのKontron社は、『第12回ESEC(組込みシステム開発技術展)』(2009年5月13日~15日)において、米Intel社の組み込み向けプロセッサ「Atom」を搭載したシングルボードコンピュータ「pico-ITX」(写真1)をはじめとする、産業用途向けの組み込みボード製品群を出展した。

 pico-ITXは、「Atom Z510/Z530」を搭載したシングルボードコンピュータで、基板サイズは100mm×72mmの小型化を実現している。チップセットはIntel社のシステムコントローラハブ「US15W」を搭載、メモリーはDDR2(Double-Data-Rate2) SO-DIMM(最大1Gバイト)を搭載している。ギガビットイーサーネットに対応しており、オプションとして、GPIOのI/Oを採用したり、4個のUSBポート(フロント2個、オンボード2個)を装備したりすることが可能である。ストレージは、Dual SATA/PATA44/マイクロSDなどに対応している。電源電圧は5Vで、消費電力は5W(標準値)。携帯型の医療機器など、各種ポータブル機器での利用が見込まれるという。

 同社はまた、エンベデッドサーバーボード「KTC5520-EATX」を展示した(写真2)。同ボードには、Intel社のクワッドコアプロセッサ「Xeon Quad Core Processor 5500シリーズ」を2個搭載することができ、最大8コアまで対応できる。基板サイズは、304.8mm×330.2mm。メモリーは、ECC(Error Check and Correct)機能付きのDDR3 SDRAM(最大48Gバイト)を搭載している。CTスキャナなどハイエンドの組み込み機器向けの用途に向けるという。

高速ブートのデモの様子
写真4 高速ブートのデモの様子
ボード中央に見える黒い部分に「nano ETXexpress-SP」が組み込まれている。

 このほか、展示会場ではKontron社のコンピュータオンモジュール「nano ETXexpress-SP」(写真3)と、カナダQNX Software Systems社のOS「QNX OS」を組み合わせて利用することで、組み込みアプリケーションを高速ブートするデモを行っていた(写真4)。このブート技術は、nano ETXexpressに搭載したAtomの性能を最大限に利用しつつ、インスタントオン機能によってBIOSの代わりに、周辺機器に対しカスタマイズされた初期化処理を施すことで、アプリケーションを高速に起動できる。実際、ディスプレイに3D映像を表示するデモでは、電源を切って、再び電源を入れてからアプリケーションが立ち上がるまでの時間を1秒以下に抑えていた。将来的には、緊急時などに、早急に装置を立ち上げることが求められる医療機器などの分野への応用が期待されるという。

技術力を生かして日本市場でのシェア拡大狙う
Norbert Hauser氏
写真5 Kontron社のNorbert Hauser氏

 Kontron社はドイツのミュンヘンに本社を置く産業用途向け組み込みコンピュータのメーカーで、通信/FA/計測/医療/運輸/エネルギー/情報端末/ゲーム/軍事など、幅広い分野に向けて組み込みマザーボードや産業用制御システムなどを供給している。北米やアジアにも拠点を有しており、国内では、同社日本法人のコントロンテクノロジージャパンが製品の販売/サポートなどを行っている。

 Kontron社でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるNorbert Hauser氏(写真5)は、「全従業員数は2500人ほどで、そのうちの3割以上がエンジニア。技術力の高いエンジニアを数多く抱えていることが当社の強みだ。また、当社はIntel社とのアライアンスによって、同社製プロセッサを搭載した産業用ボードなどを早期に市場投入することができる。この点も、他社との差異化要因となる」と述べる。

 2008年の同社の売上高は前年比11%増の7億3100万米ドルを記録。世界規模で景気が後退しているにもかかわらず、「2009年第1四半期の売上高についても、1億660万ユーロ(前年同期は1億590万ユーロ)と好調を維持している」(Hauser氏)という。なお、売上高を地域別に見ると、欧州が約45%、北米が約30%、そのほかロシアやアジア地域が25%などとなっている。Hauser氏は、「欧州や北米などでは実績も多く、高いシェアを確保している。今後は、日本をはじめとするアジア地域でのシェア拡大を目指す。具体的には、ATCA(Advanced TCA)/μTCA/CompactPCI/VMEなどの規格に対応した製品やコンピュータオンモジュールの分野に注力していく」と述べた。

(鉄井 亮一)

  • 連絡先 コントロンテクノロジージャパン、電話03-3264-0228
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