写真1 イータスによる「EHOOKS」のデモンストレーション
イータスは、『人とくるまのテクノロジー展 2009』(2009年5月20日~22日)において、ECU(電子制御ユニット)に組み込むプログラムコード内に、自由にバイパスポイントを設定することのできるツール「EHOOKS(イーフックス)」を展示した。現在、自動車メーカーやECUサプライヤで評価を進めており、2009年秋から正式販売を開始する予定である。
自動車業界では、自動車メーカーの設計に従ってECUサプライヤがプログラムコードを作成し、自動車メーカーに納入するのが一般的なプロセスである。しかし、自動車メーカーが、この納入されたECUコードに変更を加えたい場合には、再度ECUサプライヤにコード変更を要求することになり、その分開発期間が延びることになる。そして、ECUのプログラムコードの規模が急拡大していることもあり、このコード変更を要求する「手戻り」の回数が増えており、ECU開発における課題となっている。
バイパスポイントとは、プログラムコード内の特定の機能について、ラピッドプロトタイピングツールなどで代替させるための“バイパス”を通せるように、コード内に明示されたポイントのことである。バイパスポイントを自由に設けることができれば、自動車メーカーが、自身の開発現場でプログラムの設計変更を行うことが容易になり、開発期間の短縮が可能になる。
EHOOKSの利用形態は次のようになる。まず、ECUサプライヤ側と自動車メーカー側の双方でEHOOKSを用意する。ECUサプライヤが、EHOOKSを使ってECUコードにバイパスポイントを設定すると、ECUコードの本体プログラムである「Hexファイル」と設定情報を納めた「A2Lファイル」に対してバイパスポイントの情報が追加され、新たなHexファイルとA2Lファイルが生成される。自動車メーカーは、EHOOKSと新たなHexファイルとA2Lファイルを用いることにより、バイパスポイントを介してラピッドプロトタイピングツールを接続したり、CPUの空きメモリー内に組み込んだプログラムで動作を代替させたりすることができる。イータスの説明員は、「バイパスポイントの設定では、関連するすべてのパラメータが完全にバイパスされていなければ意味がないので、ツールで行う自動設定の品質が問われることになる。EHOOKSは、ドイツRobert Bosch社との共同開発により、同社のECUについてバイパスポイントを高品質に設定できることを確認している。今後は、日本のECUサプライヤへの対応も進めていきたい」と語った。
展示では、EHOOKS、Bosch社のECU、同社のラピッドプロトタイピング環境「INTECRIO」とラピッドプロトタイピングモジュール「ES910」を連動させてのデモンストレーションを行った(写真1)。
(朴 尚洙)