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テクトロニクスがスペアナのオプション機能を発表、
発生頻度の低い信号などの捕捉を容易に

[issued: 2009年5月29日]
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DPXライブ・スペクトラム表示機能
画面1 DPXライブ・スペクトラム表示機能
上は従来のDPXライブ・スペクトラム表示機能を使った場合の表示。下が、今回発表されたオプション機能を使ったものである。新機能では、色(信号の発生頻度)がより細かく表示されていることがわかる。
DPXを活用したトリガー機能
画面2 DPXを活用したトリガー機能
画像中の白枠で囲まれた部分が、トリガー条件を指定している領域。

 日本テクトロニクスは2009年5月、同社のリアルタイムスペクトラムアナライザ「RSA6100Aシリーズ」向けの新オプション機能「オプション200」を発表した。RSA6100Aシリーズは2006年に発表された機種で、「DPX」と呼ばれるスペクトラム表示機能を初めて搭載した製品である。オプション200は、このDPXの機能をさらに強化したことに加え、オシロスコープで使われるようなトリガー機能も追加された。

 DPXは、信号が現れる頻度を色で表示する機能である。スペクトラム表示の基本処理は、取り込んだRF信号をデジタル値に変換し、それに対して離散的フーリエ変換(DFT)処理を施すことで実現する。ここで、フーリエ変換した信号についてリアルタイムに統計処理を行い、発生頻度が高いものは明色で、低いものは暗色でリアルタイムに表示(DPXライブ・スペクトラム表示)するという仕組みだ。1秒当たりに表示できるスペクトラム数は、従来は4万8000であった。この表示方式により、波形が1色で表示されるような機種では見つけにくかった発生頻度の低い信号を、容易に検出できるようになるという。

 従来のDPXでは、リアルタイムに対応可能な帯域幅が最大110MHzであった。例えば、対象とする周波数範囲が1GHz~1.11GHzといった具合に110MHz以下であれば、DPXで表示することが可能だが、それを超える帯域幅で測定を行うと、一般的なスペクトラムアナライザと同じようにスペクトラムが表示されるだけであった。それに対して新しいDPXでは、1回に取り込める帯域幅は最大110MHzで従来と変わらないが、110MHz以上の帯域幅にわたって測定を行う場合には、110MHz単位で順次、測定範囲を切り替えて全帯域を徐々にスキャンしていくことで、最大14GHzの帯域幅までの表示に対応可能になった。表示可能なスペクトラムの数も、従来の4万8000/秒から、その約6倍となる29万/秒に大きく増加した。また、100%捕捉できる最短のパルス時間も、24μsから10.3μsに向上した。さらに、DPXライブ・スペクトラム表示の色の階調レベル、すなわち“色の分解能”も約10万倍となっている。日本テクトロニクスの担当者によると、「これらの改善によって、より細かい信号が、よりクリアに検出できるようになった」と言う(画面1)。

 トリガー機能については、2種類を搭載した。1つ目は、DPXにより検出した信号にトリガーをかける機能だ。ある領域で、一定の確率以上で発生した信号にトリガーをかけることができ、その領域、確率ともに設定が可能である。DPXを利用したことで、発生頻度が非常に低い信号や“信号に埋もれた信号”のように、従来トリガーをかけることが困難であったものにも、容易に対応可能になるという(画面2)。

 もう1つのトリガー機能は、もともとオシロスコープに採用していたものをスペクトラムアナライザに取り入れたもので、パルス幅の違いを識別してトリガーをかける「タイム・クオリファイ・トリガ」や、異常な振幅のパルスを捕捉する「ラント・トリガ」などがある。このようなトリガー機能により、デジタル通信やレーダーの波形を解析する際、簡単に目的のパルスを特定できるようになる。

 オプション200は、「RSA6100A型オプション200」と、「RSA6UPオプション200」の2バージョンがある。すでにRSA6100Aシリーズを所有している場合は、RSA6UPオプション200を使用してアップグレードを行えばよい。RSA6100Aシリーズ本体(スペクトラムアナライザ)と同時に新たに買い求める場合は、前者のRSA6100A型オプション200を使用することになる。価格は、アップグレード用のRSA6UPオプション200が158万円、新規用のRSA6100A型オプション200が124万円である(いずれも税抜き価格)。なお、アップグレードする際は、ボードの取り替えが必要になる。

(村尾 麻悠子)

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