米Maxim Integrated Products(以下、Maxim)社は2009年4月、差動出力タイプのセンサーからの信号処理を1チップで行えるRISCマイコン「MAXQ7670」を発表した。主に、AMR(異方性磁気抵抗)センサーなどの差動出力センサーを用いて直線/回転変位を検出する車載システムの用途に向ける。1000個以上購入時の単価は3.97米ドル。
MAXQ7670は、デジタル/アナログ回路を混載するミックスドシグナルタイプのマイコンである。5mm角サイズ、40端子TQFNのパッケージ内に、複数のAMRセンサーから得られる低振幅信号を高精度に測定するための機能をすべて搭載した。外部にアナログ回路を接続して増幅する必要がないので、車載システムの小型化やコスト削減を実現できる。個別の部品を使って関連回路を構成する場合と比べると「最大で実装面積を80%、部品コストを50%削減できる」(Maxim社)という。また、現在量産されている自動車では、ステアリング、ブレーキ、アクセルなどの位置制御用センサーとして、AMRセンサーが利用されているため、MAXQ7670はこれらの車載システムに適するという。また、これらの車載システムと同じように、AMRセンサーを用いてバルブ位置制御や軸回転を行う産業機器にも利用できる。
マイコンのプロセッサコアは16ビットの「MAXQ」を採用し、16ビットのレジスタを16系統搭載することにより、処理能力を最大で16MIPS(1MIPSは1秒間に100万回の命令を処理する能力)まで向上している。2Kバイトのデータ用SRAMと64Kバイトのフラッシュメモリーを内蔵。アナログ回路は、プログラマブルゲイン差動アンプと、分解能が10ビットで変換速度が250キロサンプル/秒の逐次比較型A-Dコンバータを搭載する。動作条件にもよるが、数十μVレベルの分解能で、センサーからの信号を測定することが可能である。アナログ信号入力は8個あり、8個のシングルエンドチャンネルもしくは4個の差動入力チャンネルとして利用できる。デジタルインターフェースは、CAN(Controller Area Network)、SPI(Serial Peripheral Interface)、JTAGと7個の汎用インターフェースを備える。また、15MHzのRC発信器と、電源電圧を監視するウォッチドッグタイマーに加えて、2.5V出力と3.3V出力のリニアレギュレータも内蔵する。動作温度範囲は、-40~125℃となっている。