ロームは2009年4月、レーザープリンタ用のツインビーム赤外レーザーダイオード(LD)「RLD2BPNK3」を発表した。サンプル価格は2000円。2010年1月から、月産50万個の規模で量産を開始する予定。生産は、中国天津市の子会社ROHM Semiconductor(China)社で行う。
RLD2BPNK3は、レーザープリンタのドラム部分への露光に用いられる赤外LDである。近年のレーザープリンタで求められている印字速度の高速化に対応するために、1つの部品から2本のレーザー光を出射するツインビームタイプとなっている。この2本のレーザーの発光点間隔は、ロームのツインビーム赤外LDの従来品で90μmであった。それに対し、RLD2BPNK3ではその1/3以下の28μmとなっている。現行のレーザープリンタよりも高精細な印字を行うために必要となる、発光点間隔が30μm以下という条件を満たしている。
ただし、レーザーの発光点間隔を狭くすると、素子部からの発熱の影響を受けやすくなるため、安定したデバイス特性を得ることが難しくなる。この問題に対して、RLD2BPNK3では、新開発の材料と素子構造を採用することにより、高温環境下におけるLDの活性層からのキャリアオーバーフローを抑制している。材料については、通常のLDのラッド層や電流狭窄層で使用しているAlGaAs(アルミニウムガリウムヒ素)に替えて、新材料を採用した。素子構造については、従来どおりAlGaAsを使用する活性層の構造は変更せずに、そのほかの部分について新材料に最適な構造を新たに開発して適用した。これにより、ケース温度を25℃から60℃に変化させた際の動作電流の増加量(6mW出力時)を6%に抑えることができた。同じ条件で、他社製品では、動作電流が33%増加するという。
主な仕様は、レーザー光の波長が792nm、絶対最大定格における光出力が10mW、逆電圧が2V、動作温度範囲が-10~60℃。