写真1 Avago社の車載用フォトカプラ「ACPL-3xJT」
米Avago Technologies(以下、Avago)社は、『テクノフロンティア2009』(2009年4月15日~17日)において、過電流保護機能とIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)のゲート駆動の機能を搭載した車載用フォトカプラ「ACPL-3xJT(仮称)」を展示した(写真1)。現在開発中の製品で、2009年秋をめどに量産を開始する予定である。
Avago社は、2006年から車載用フォトカプラ「R2Couplerシリーズ」を展開している。同シリーズは、同社がサーボモーターなどの産業機器向けに販売しているフォトカプラをベースに、-40~125℃の動作温度範囲など、米国の車載電子部品の認定基準であるAEC-Q100のグレード1をクリアするように開発した製品群である。主な用途は、ハイブリッド車/電気自動車のインバータやDC-DCコンバータ、CAN(Controller Area Network)通信におけるコントローラ‐トランシーバ間などの電気的な絶縁である。
ACPL-3xJTは、R2Couplerシリーズにおける6つ目の製品である。フォトカプラとしての電気絶縁に加えて、IGBTのゲート駆動回路と過電流保護回路を搭載する。ゲート駆動回路については、1200V/150AクラスまでのIGBTの直接駆動が可能で、UVLO(電圧低下ロックアウト)機能を内蔵する。過電流保護については、IGBTのコレクタ‐エミッタ間の非飽和電圧を検出し、自動的にシャットダウンする同社独自の「DESAT機能」により行う。Avago社によれば、「現在量産されているハイブリッド車のインバータやDC-DCコンバータでは、IGBT、制御マイコン、ゲート駆動回路が組み込まれたインテリジェントパワーモジュール(IPM)が使用されている。この場合、フォトカプラには電気絶縁の機能だけが要求されることになる。しかし、顧客とのやりとりの中で、現在開発中のハイブリッド車や電気自動車では、IPMではなくディスクリートのIGBTを用いることが多いことがわかってきた。そこで、2008年に、ゲート駆動回路を持つフォトカプラ『ACPL-312T』を発売したところ、現在日本国内で開発中の電気自動車に採用されることとなった。ACPL-3xJTは、このトレンドに対応して、さらに過電流保護機能も組み込んだ製品だ」という。
ACPL-3xJTの主な仕様は以下のとおり。絶縁電圧は3750Vrms(1分間)、ピーク出力電流は最大で2.5A。同相ノイズ除去は最小で15kV/μs。伝達遅延時間は最大500nsで、伝達遅延のばらつきは最大で±350ns。電源電圧は、15V~30V。16端子のSOパッケージで供給される。
(朴 尚洙)