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プリント配線板のパワーインテグリティ解析ツール、米Mentor社が発表

[issued: 2009年2月4日]
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Mentor Graphics社のDavid Wiens氏
写真1 Mentor Graphics社のDavid Wiens氏

 米Mentor Graphics社は2009年2月、プリント配線板(PCB)の設計データを使って、PCB内における電源分配の状態を解析するツール「HyperLynx PI」を発表した。すでに特定顧客への出荷を開始しており、2009年3月までには一般販売も開始する。北米での価格は3万5000米ドルから。国内価格は非公開となっている。

 Mentor社のHyperLynxは、PCB設計においてシグナルインテグリティ(信号品質:SI)を確保するための伝送線路解析ツールとして知られている。これに対して、今回発表したHyperLynx PIは、パワーインテグリティ(電源分配の品質:PI)の解析を行うツールである。同社システム設計部門ビジネスデベロップメントディレクタのDavid Wiens氏(写真1)は「5年前の製品であれば、PCB内の電源電圧を5Vだけで構成することも可能だったが、現在の製品のPCBでは、複数の電圧レベルの電源が使われるのが当たり前だ。この場合、過剰な電流が流れたり、電圧が想定よりも低い部分があったりすると、回路が正常に働かなくなる可能性がある。そのため、SIだけでなくPIも重要視されるようになっている」と語る。

HyperLynx PIによる解析結果の一例
写真2 HyperLynx PIによる解析結果の一例
黄色い部分は相対的に電圧が高く、青い部分は相対的に電圧が低いことを示す。このプリント配線板では、左下の黄色い部分から電源を供給している。上端の回路が狭くなっている部分で電圧が高くなっている一方で、右端のICを配置する場所には十分な電圧が供給されていない。

 HyperLynx PIでは、電源層やグランド層における電源分配の状態をグラフィカルに確認することができる(写真2)。また、電源分配を最適化するために必要となるチップコンデンサの個数/実装位置の解析や、ノイズを印加した場合の電源分配のシミュレーションなども行える。PCBのデータについては、PCBのレイアウトを確定する前の構想設計データ(プリレイアウト)と、レイアウト確定後の設計データ(ポストレイアウト)のいずれにも対応する。また、Mentor社以外に、米Cadence Design Systems社、オーストラリアAltium社、米Intercept Technology社、図研のPCBデータを利用することもできる。「HyperLynx PIの最大の特徴は、短い時間で解析を行える点にある。すでに市場に存在するPI解析ツールは、数日から1週間の解析時間を要する上に、専門の解析技術者も必要だ。一方、HyperLynx PIでは、短い時間でも一定の精度の解析結果が得られるような解析機能を採用している。この機能により、PCBの設計技術者が、自身の手で、自身の設計におけるPIに関する問題を早期に発見したいという需要に応えられるツールに仕上がった」(Wiens氏)という。

 HyperLynx PIは、従来からのHyperLynxが備えるSI解析機能とも緊密に連携させることが可能である。これにより、PCB設計の早い段階でPIとSIを確保して、試作回数と開発コストの削減を実現できるとしている。

(朴 尚洙)

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