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写真1 ザイリンクスのSam Rogan氏(左)とアームの西嶋貴史氏
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ザイリンクスとアームは、『Embedded Technology 2009(ET2009)』(2009年11月18日~20日)において、米Xilinx社と英ARM社が2009年10月に発表した技術提携について、記者説明会を開催した(写真1)。その中で、ザイリンクスの代表取締役社長であるSam Rogan氏は、「ムーアの法則は生きている」とし、「プロセスが微細化されることで、ICの性能を向上したり、より低コストで素晴らしい機能を実現したりすることができる。その半面、設計者にとっては、コストや設計の複雑さなど、さまざまな困難に立ち向かわなければならなくなった」と説明した。
Rogan氏は、「ASICの開発には1億米ドルを超えるコストがかかる。そのため、500億~1000億米ドルの市場規模がなければ採算が取れない」と述べる。このような背景から、市場規模が大きい製品にはASIC/ASSPが用いられ、小さいものにはFPGAが採用されている。Rogan氏によると、ASIC/ASSPとFPGAの境目に当たるゾーンが各種ICのカバー範囲として手薄になっており、「Xilinx社は今後、そのゾーンを狙う」という。
また、これまでは通信分野がFPGAの主なターゲットだったが、最近はそれ以外の航空宇宙、防衛、車載といった分野でもFPGAへのニーズが増えてきたという。Rogan氏は、「つまり、従来は基板の真ん中にASICがあって、その周辺に補助的な役割としてFPGAが置かれてきたが、(FPGAを適用するアプリケーションの変化により)これからは基板の真ん中にFPGAが置かれることになる。そうしたときに最も重要となるのが高性能のプロセッサであり、そこでわれわれが選択したのがアームであった」と説明する。そうした経緯から、ARM社のプロセッサコア「Cortex」やフィジカルIP(Intellectual Property)、さらに、FPGA向けに最適化した次世代のAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)バスを、将来的にXilinx社のFPGAに搭載するという今回の提携に至ったという。
Rogan氏は、「製品について詳細はまだ発表できないが、FPGAの中心にARMのコアが存在し、その周辺にI/Oなどの機能を搭載する形になる」と述べる。
アームの代表取締役社長である西嶋貴史氏は、「今回の提携に至ったのは、ザイリンクスとアームが共通のビジョンを持っていたからだ」と語る。さらに、「組み込み分野では、われわれのプロセッサコアを採用したICが年間30億~40億個出荷されている。中でもASIC向けのものが多い。FPGAで膨大なプロジェクトを手掛けているザイリンクスと手を組むことで、(ASIC/FPGA間の手薄になっているゾーンのシェアを獲得し)30億~40億個がさらに50億個、60億個と増えていくことを期待している」と述べた。
パートナーおよびエコシステムの拡大はすでに始まっており、日本では民生機器を扱うメーカーを中心に、初期段階の顧客との契約についてもすでに動き始めているという。なお、製品の詳細については2010年に発表される予定である。
(村尾 麻悠子)