STM32ファミリ
STマイクロエレクトロニクスは2008年6月、ARM Cortex-M3コアをベースとした32ビットマイコン「STM32ファミリ」として、新たに28品種を追加した。いずれも同一アーキテクチャのマイコンであり、フラッシュメモリーの容量やパッケージの種類などを拡充した。同社はSTM32ファミリとしてこれまで18品種を発売しており、新製品の追加で同ファミリは合計46品種となった。
新製品は、内蔵するフラッシュメモリーの最大容量を現行品の128Kバイトから、512Kバイトに増やした。パッケージも64端子LQFPと100端子LQFP/BGAに加え、144端子LQFP/BGAと38端子QFNを新たに用意した。
また、フラッシュメモリーの容量が256Kバイト以上で100/144端子パッケージの製品は、周辺機能としてフレキシブルスタティックメモリーコントローラ(FSMC)を内蔵している。FSMCは外付けメモリーをサポートするための4つの独立したバンクを持ち、NOR/NAND型フラッシュメモリーやSRAM、CompactFlash(CF)カードなどをサポートする。
このほかにも、主な共通機能としてUART(universal asynchronous receiver transmitter)/USART(universal synchronous asynchronous receiver transmitter)を最大5本、SPI(serial peripheral interface)バスインターフェースを3本、I2Cバスインターフェースを2本、12ビットD-Aコンバータを2チャンネル、といった周辺機能を内蔵している。
新製品の中で、同社がパフォーマンスラインと呼ぶ上位マイコンは、プロセッサコアの動作周波数が72MHzで、SRAMを最大64Kバイト内蔵できる。さらに、USBポートやCAN(controller area network)インターフェース、PWM(パルス幅変調)タイマー、12ビットA-Dコンバータなども搭載した。2つのPWMタイマーに最大4つの標準16ビットタイマーを組み合わせることで、PWM信号を最大28本までサポートすることが可能である。
一方、アクセスラインと呼ぶローエンドマイコンはプロセッサコアの動作周波数が36MHzで、SRAMは最大48Kバイト内蔵できる。コスト要求の厳しい16ビットマイコンなどからの置き換えを狙う。
価格は、フラッシュメモリーの容量やパッケージの違いによって異なるが、512Kバイトのフラッシュメモリーを内蔵した144端子LQFP品の場合、ハイパフォーマンスライン製品で6.51米ドル、アクセスライン製品で5.88米ドル(1万個購入時の単価)。32Kバイトのフラッシュメモリーを内蔵した36端子QFNのアクセスライン製品は1.80米ドル(同)。
スイスSTMicroelectronics社でマイクロコントローラ事業部32ビットマイクロコントローラ製品部のディレクタを務めるDaniel Colonna氏は「マイコン事業において日本は重要な市場である。当社の全マイコン売上高に占める日本市場の構成比は、現在まだ5%以下だが、将来は10%を狙いたい」と語る。このため、STM32ファミリに関しては日本語のドキュメントも用意している。
(馬本 隆綱)