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2008年11月、テレビ放送で使用されていない周波数帯、いわゆる「ホワイトスペース」の使用許可問題にようやく決着がついた。FCC(米国連邦通信委員会)が、無線ブロードバンドサービスによるホワイトスペースの使用を満場一致で承認したのだ。さらに、使用に当たってはライセンスも不要だという。2年以上にわたる試験や、ハイテク業界の支持勢力と放送業界の反対勢力の双方からの強い圧力を乗り越えての結論となった。FCCは、2009年2月に米国がデジタル放送に移行するのに伴い、未使用になるチャンネルの使用を許可する規定を公認した。
FCC会長を務めるKevin Martin氏は発表の中で、「この規定によって、米国内の消費者は、これまでは“夢”に過ぎなかった機器やサービスを利用できるようになる」とした上で、「家庭内ブロードバンドネットワークの拡張や高機能機器によるピアツーピア通信、小規模通信ネットワークなど、あらゆるサービスによるホワイトスペースの活用を大いに期待している」と述べた。
Google社やDell社、Microsoft社などの米IT関連企業は、ホワイトスペース開放に向けた活動を精力的に行ってきた。この周波数帯はデータ/映像/音声の伝送距離をWi-Fiよりも長くとれる上に、障害物にも強いという伝送特性を持っているからだ。IT業界は、「ホワイトスペースの開放によってワイヤレス製品の新たな市場が生み出される」と主張している。一方、放送事業者や無線マイクロホンのメーカーは、電波干渉を引き起こす可能性があるとして反対していた。
New America FoundationでWireless Future Program担当のバイスプレジデント兼ディレクタを務めるMichael Calabrese氏は、「FCCが通信機器に対して設けた規定は、市場を限定する可能性もある。それでもIT業界は、FCCがホワイトスペースの使用を承認したことに感激している」と語った。同氏は、「固定機器/携帯機器の両方が、ライセンスを取得することなくアクセスできる未使用チャンネルの開放が確実になったことが、最も重要なことだ」と指摘し、「規定を理解したのだから、企業は機器の開発を始められるだろう」と述べた。
IT企業は、規定が制定される前から市場に投入する製品の検討を進めていた。この票決の次の日には、Dell社の幹部が、具体的な投入時期には触れずに「ホワイトスペース対応のICを搭載した新製品を投入する」と発言したと言われている。
Google社でワシントンの通信/メディア担当弁護士を務めるRick Whitt氏は、「機器の製造に要する時間と、FCCの承認を得る時間を考慮すると、ホワイトスペース対応製品が市場に登場するのは2009年末以降」だと予測している。同氏は、「おそらく2009年の年末商戦には、ホワイトスペースに対応した製品が登場するだろう」と述べた。
Google社の創始者メンバーであるLarry Page氏は、Microsoft社のBill Gates氏とともにホワイトスペースの開放を個人的に主張してきた1人である。同氏は、「コンピュータや携帯型デバイスの大半は、数年以内にホワイトスペース対応になる」と見ている。Page氏はGoogle社のブログの中で、「FCCがWi-Fiと同様のライセンス不要のモデルを採用したことは素晴らしいことだ。2008年におけるWi-Fi用ICの生産量は、10億個に達する見込みだ。FCCが規定を設けた今、ホワイトスペース対応製品もWi-Fi製品と同じように成長することは確実だろう」と述べている。
ホワイトスペース問題の議題に関しては、Martin会長が強い圧力を受けていたため、議論に決着がついたのはタイムリミット直前であった。もし時間切れになっていたら、ホワイトスペース問題はオバマ政権が改めてFCCの議事日程を決めるまで延期されただろう。そうなれば6カ月以上は再討論を開始できないことになっていたはずだ。
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