図1 低電力RF製品群「CyFi」
米Cypress Semiconductor社は2008年10月、2.4GHz帯の低電力無線ネットワークに対応した組み込み製品向けの製品として低電力RF製品群「CyFi」を発表した(図1)。CyFiは、同社のプログラマブルマイコン「PSoC(Programmable System-on-Chip)」上で動作するCyFiプロトコルスタック(ソフトウエア)、およびCyFiトランシーバIC「CYRF7946」で構成されている。主に、リモートコントローラ、ホームセキュリティ機器、工業用オートメーション機器、医療機器などの組み込み無線制御システムに向ける。
同社でHID/RF、タイミング、光学ソリューション部門バイスプレジデントを務めるDavid Kranzler氏は、「低電力無線ネットワークにおいては、信頼性、単純さ(容易さ)、低消費電力といったことが求められる。当社のCyFiを利用することで、設計者は性能や消費電力の面で妥協することなく、簡単かつ迅速にワイヤレスシステムを実現することが可能になる」と述べる(写真1)。
写真1 Cypress社のDavid Kranzler氏
CyFiは、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum:直接拡散方式)変調方式を採用している。干渉が生じた際には、2.4GHz帯で80個のチャンネルの中から空いているチャンネルを選び出し、信号を回復して干渉を回避することが可能である。また、データレートなどを管理することで信号の再送を最小限に抑え、スリープモードの時間を最大にすることで電力効率が高まるように工夫されている。干渉を検地した際には、自動的に通信速度を落としてより堅牢な250キロビット/秒のデータレートとし、パワーアンプの出力を上げて信号の再送回避とスリープモードへの復帰の迅速化を図る仕組みである。
また、CyFiのトランシーバICでは、複数の個別部品を置き換えたり、複数の機能を集積したり、開発段階でプログラム変更したりといったことが行える。さらに、あらかじめ定義されているCyFiのプロトコルスタックは、複雑なコーディングを行わなくても同社のソフトウエア「PSoC Designer 5.0 IDE(Integrated Development Environment)」にドラッグ&ドロップするだけで簡単にカスタマイズすることが可能である。
なお、Cypress社はCyFiを利用してワイヤレスシステムの試作/評価を行うことができるスタータキットとして「CyFi低電力RF付PSoC FirstTouch」も併せて発表した。同キットには、USBメモリースティック型で、PSoC Designer、データコレクション用コントロールダッシュボード、RF対応のパソコン用ドングル、マルチファンクションボード、長距離ワイヤレスアプリケーション用パワーアンプを備えるRF拡張ボード、電池ボードなどが同梱されている。同キットの価格は69.95米ドル。このほか、圧力/湿度/温度/周囲光センサーをサポートする環境センシングキット「CY3271-EXP1」、CY3271のアドオンで2つのRF拡張と単4電池ボードを提供する拡張キット「CY3271-RFBOARD RF」などが用意されている。いずれも同社ウェブサイトから購入可能となっている。