写真1
協業の内容を説明するテムザックの高本氏(左)と
マイクロソフトの加治佐氏(右)
テムザックとマイクロソフトは2007年9月、ロボット向けソフトウエアプラットフォームの共通化に向けて協業することを発表した(写真1)。それによれば、テムザックは同社のロボット(写真2、3)に、マイクロソフトのロボット向けソフトウエア開発プラットフォーム「Microsoft Robotics Studio(以下、MSRS)」を適用してその評価を行う。また、これまでの産学連携の実績を生かし、MSRSや通信プロトコル「DSSP(decentralized system services protocol:分散システムサービスプロトコル)」、組み込み向けOS「Windows Embedded」などへの対応を大学の研究室などに呼びかける。一方のマイクロソフトは、テムザックに対して製品戦略情報を提供したり共同でマーケティング活動を行ったりするほか、マイクロソフトのイノベーションセンターを通じてHPC(high performance computing)施設と知的財産ライセンスの提供を行うという。この協業により、両社はMSRSの普及/発展とロボット向けソフトウエア開発の効率化を図る。
写真2 テムザックの家庭用
ユーティリティロボット
「BANRYU-T73S」
写真3 テムザックの
遠隔操作ロボット「TMSUK04」
MSRSは、マイクロソフト社がVPL(Visual Programming Language)と呼ぶデータフロー型のグラフィカル言語による開発環境と、ロボットの動作をテストする3D物理シュミレーション環境、サービス指向アーキテクチャ(SOA:service oriented architecture)に基づいた開発環境などで構成される。バージョン1.5が2007年7月にリリースされており、価格は商用ライセンスが399米ドル。大学/趣味などに向けた無償ライセンスもある。
現在、ロボットの分野では多くの企業や大学、研究機関などにより技術の研究/開発が行われている。しかし、ハードウエアやOS、プログラム環境、通信プロトコルが異なっているために、ソフトウエアコンポーネントの再利用やロボット間の連携が難しいという課題があった。
この課題に対して、マイクロソフトはMSRSを提供することで、ロボットソフトウエアの動作環境とプログラム開発環境を共通化し、ソフトウエアコンポーネントの再利用性を向上させる考えだ。さらに、MSRSでは、SOAPをベースとした軽量な通信プロトコルであるDSSPを採用しており、これによってロボット間や、コントローラとロボット間の通信を共通化できるという。これらの共通化によって優れた部品を迅速かつ自由に組み合わせることが可能になり、ロボット技術の融合を進めることができるという。
今回の協業について、テムザックで代表取締役を務める高本陽一氏は、「Windowsにはリアルタイム性の問題があるので、二足歩行のロボットに実際に組み込むのは難しい。しかし、今後そのような問題をマイクロソフトとともに解決してロボットの市場を作っていきたい」と期待を込める。一方、マイクロソフトの業務執行役員で最高技術責任者を務める加治佐俊一氏は、「多くのロボット製品とロボット技術を有するテムザックとパートナシップを結ぶことで、MSRSの普及とロボット技術の飛躍を加速させたい」と語った。