HD-SIMを作り込んだシリコンウェーハ
米Spansion社は、大容量フラッシュメモリーとSIMカード機能を1チップにした「MirrorBit HD-SIM」(以下、HD-SIM)を開発し、2007年7月末から順次サンプル出荷を始める。同社はこれを機にSIMカード向けIC市場に参入する。第1弾のHD-SIMは90nmプロセス技術を使い、データストレージ用に最大128Mバイトのフラッシュメモリーを内蔵する。2008年第4四半期には 45nmプロセス技術を用い、フラッシュメモリーの容量を最大512Mバイトに増やした製品を発売する計画である。
HD-SIMは、携帯電話機などで使われる加入者情報を格納したSIMカードの機能と、大容量のフラッシュメモリーを1チップに実装している。現在のSIMカード用のICはメモリーにEEPROM/ROMを使っており、内蔵するメモリー容量はキロバイト単位にとどまっている。これに対して同社独自のMirrorBit技術を使ったフラッシュメモリーはメガバイト/ギガバイトのメモリー容量を実現することができる。
Spansion社のMirrorBit技術は「ロジックプロセスとの親和性が高いため、1チップ化が可能になる」(同社)という。第1弾の HD-SIMは、プロセッサに英ARM社の「SecurCore SC100」を採用し、データストレージ用としてフラッシュメモリーを4M~128Mバイト内蔵する。また、インターフェースは現在のSIMカードで用いられているISOに加え、USBやMMC、SDといった高速インターフェースにも対応している。さらに、チップの製造設備/プロセスではセキュリティの評価認証レベル「EAL 4+」の認定を受けている。
45nmプロセスで製造する次世代のHD-SIMは、第1弾の製品に比べてデータストレージの容量が4倍に増えるとともに、インターフェースとしてSWP(single wired protocol)を追加してサポートする。また、インターフェースは当初ハードウエアで切り替えるが、次世代品はソフトウエアで切り替えができるようにする。
(馬本 隆綱)