「iPhone」の機能説明をするSteve Jobs氏
米Apple社CEO(最高経営責任者)のSteve Jobs氏は、米国サンフランシスコで開催中の「MacWorld Conference and Expo.(マックワールドエキスポ)」の基調講演において、同社の次世代携帯電話機「iPhone」の製品紹介を自ら壇上で行った。iPhoneの発売予定は2007年6月で、価格は499米ドルからだという。しかし、Jobs氏の説明では、この最新式携帯電話機に搭載されている半導体製品のメーカー名が一切語られなかったため、業界内ではどのメーカーの製品が採用されたかを巡り、さまざまな憶測が飛び交っている。
米国の証券会社FBR Research社は、Jobs氏による発表の翌日の1月10日付けで発行した調査レポートで、「米Broadcom社と英Cambridge Silicon Radio(CSR)社、ドイツのInfineon Technologies社、米Marvell Technology Group、韓国Samsung Electronics社の半導体製品がiPhoneに採用された」と報告している。
さらにFBR社は、「Samsung社は次世代の『ビデオiPod』とiPhoneの両方の機器に、同社製のプロセッサソケットを供給し、 Marvell社はiPhoneのIEEE 802.11チップを供給すると見られる」と推測している。レポートではさらに、「Infineon社はベースバンドチップを、Broadcom社がタッチスクリーンを、CSR社がBluetoothチップを供給するもよう」としている。
FBR社によれば、「Apple社は某メーカーと、2007年度のiPodの生産台数が600万台であるという前提で契約を結んだと見られるが、そのメーカーの名前は明らかにされていない。この契約では、市場動向に応じてさらに300万台の追加増産の可能性があるものとしている」という。
なお、このFBR社のレポートに対するApple社からのコメントは得られていない。Apple社は、1月9日付けで社名を以前のApple ComputerからAppleに変更した。この社名変更には、iPhoneの発売を契機にコンシューマ市場でマルチネットワークシステムを提供する企業へと変貌を遂げるという意図が含まれており、これからも民生電子機器分野での勢力拡大をアピールしたものと見ることができる。
Jobs氏によるiPhoneの製品発表は、搭載された半導体製品に関する情報提供は十分とはいえないものの、それに対する反響は大きく、Apple社の株価の急騰に強い影響を与えている。先週末の終値は85米ドル前後だったが、1月10日の午前中には、過去52週間における最高値の93.15米ドルを上回る97.5米ドルで取引が行われた。
(Electronic News)