図1:RSA6100Aシリーズ
日本テクトロニクスは、1秒間に4万8000回のスペクトラム解析/表示を可能にしたリアルタイム・スペクトラムアナライザ「RSA6100Aシリーズ」(図1)を発表した。ディスプレイに表示する情報を従来に比べほぼ1000倍とすることで、従来機では観測できなかった変化の激しいRF信号や異常な現象をとらえることができる。
新製品には測定周波数範囲が9KHz~6.2GHzの「RSA6106A型」と9KHz~14GHzの「RSA6114A型」の2機種ある。リアルタイム周波数帯域幅は標準で40MHz、オプションで110MHzまで対応しながら、ダイナミックレンジは73dBを確保した。これまでは帯域を広げるとノイズレベルが上がり、見たい信号がノイズに埋もれてしまうこともあったが、新製品は広帯域と高いダイナミックレンジを両立することでこうした課題を解決した。
RSA6100Aシリーズの特徴の1つがDPX波形イメージプロセッサを搭載したこと。DPXは3次元のリアルタイム波形情報の抽出と管理を行う。このプロセッサにより突発的な信号なども高い確率でスペクトラム解析を可能にした。さらに、デジタル・フォスファと呼ぶ3次元データベースに蓄積したデータを 1/30秒ごとに表示系に転送する。データ転送時もDPXは波形データの取り込みを同時に行うため、データの欠落が起こらない。
従来はスペクトラム解析をソフトウエアで処理していたため、スペクトラム測定回数は1秒当たり50回程度にとどまっていた。RSA6100AシリーズではDPXを使ってハードウエア処理することにより、スペクトラム測定回数は1秒当たり4万8000回と大幅に増えた。これによって最小24μsのトランジェントRF信号までスペクトラム解析ができる、という。
同社では同一条件で新製品と競合製品の測定例を示した(図2)。2つのレベルのBluetooth信号とワイヤレスLANの信号を測定した。右側の RSA6100Aシリーズのディスプレイでは中央にワイヤレスLANのアクセスポイントとパソコンのワイヤレスカードの信号が見てとれる。 Bluetooth信号も2つのレベルが観測できる。
価格はリアルタイム周波数帯域幅が40MHzのRSA6106A型が895万6500円から、RSA6114型は972万3000円から。リアルタイム周波数帯域幅を110MHzとするオプションは118万円。
(馬本 隆綱)