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DSPを使った音質改善技術を日本TIが開発

[issued: 2006年3月9日]
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 日本テキサス・インスツルメンツの筑波テクノロジー・センターは、オーディオ用DSP「Aureus」を使いオーディオの音質を改善できる3つの技術を開発した。これらの技術を使うと例えば、小型スピーカでは再生が難しい50Hzの低音を感じることができ、データ圧縮で失われた高音域の再現などが可能となる。
 新たに開発したのは「低音域拡張技術」、「バンド幅拡張技術」、「バーチャル・サラウンド技術」の3つ。低音域拡張技術は「Missing Fundamental」と呼ばれる音響心理学の原理に基づくもので、原音に含まれる音声信号から疑似低音を作り出す。例えば、50Hzの音を感じるようにするにはその倍音(100Hz、150Hz、200Hzなど)を鳴らすことで、耳から50Hzの音が聞こえているように錯覚する現象を利用した。今回同社は、すべての整数倍の倍音を加える倍音発生器を開発することで、「音に深みを増した」(ソフトウエア研究室長で半導体グループ上席主任技師の伊藤裕二氏)という。同機能を実現するにはAureusの処理能力の2%未満、内部RAM容量の5%未満を使うだけで済む。
 液晶テレビなどに内蔵される小型スピーカは、200Hz以下の低音域で周波数特性が1/17~1/18に減衰するため、実際の低音再生は困難だった。ヘッドホンへの適用も可能である。
 バンド幅拡張技術は、MP3やAACなどの圧縮技術を使うことで欠落する16kHz以上の高音域を、原音に近い形に補完する技術。自然界では高域が倍音で構成される特性を利用し、圧縮により欠落した音域を動的に検出し、中域から高域を複製して作り出す仕組み。カットオフ周波数をリアルタイムで検出しているため、過不足なく高域を合成できる。この技術は「ビットレートや圧縮方式に依存しない」という。
 バーチャル・サラウンド技術は2本のスピーカで5.1チャンネル再生と同じような音場を作り出す技術。音源(スピーカ)に近いほうの耳だけに音が聞こえるようにするクロストーク相殺のためのフィルター設計手法を新たに開発した。またダイナミックレンジを下げないために電力相補フィルターなどを採用した。
(馬本 隆綱)

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