日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、2006年度もDSPとアナログICの事業に集中していく。特に両事業の強みを生かしたデジタルAV機器向けプラットフォーム「DaVinci」で、車載機器やデジタル家電機器用途の受注獲得を目指す。アナログICは2006年に500品種の新製品を市場に投入していく計画だ。
DaVinciはDSPをベースとしたプロセッサや関連するソフトウエア、開発ツールで構成するソリューションで、2005年9月に発表した。プロセッサは動作周波数が600MHzのDSPコア「TMS320C64x」や300MHz動作のCPUコア「ARM926EJ-S」、ビデオ信号を処理するための専用エンジンなどをワンチップにしている。
ソフトウエアはLinux OSや主要なマルチメディア・コーデックなどを用意している。開発ツール「DVEVM」(デジタルビデオ評価モジュール)を使えば、NTSC/PALカメラやLCD、ビデオのエンコード/デコード処理の評価などが行え、機器メーカーはハードウエアが完成する前からアプリケーションソフトウエアの開発や検証を行うことができる。
日本TIの社長を務める山崎俊行氏(写真)は「世界中のソフトウエア開発会社やボードメーカー、インテグレータなど400社のパートナーとつながりを持っているのがTI社の強みの1つ」という。しかも、これまでTI社のDSPユーザーはデジタルAV機器に必要な機能を実現する各種ソフトウエアを、各パートナーと個別に契約していたが、今後はワンストップで顧客に提供できる仕組み作りを進めている
同社では今後、デジタルカメラやテレビ電話、セットトップボックス、カーマルチメディア、携帯型メディアプレーヤ、監視モニター付セキュリティシステムなど、さまざまなアプリケーションに対応するDaVinciを準備していく計画である。
アナログICも同社が強みを持つ分野のひとつである。調査会社の調べによるとアナログIC市場で同社の2004年世界シェアは14%のトップである。「日本市場はアナログICの需要がまだまだ大きい」(山崎社長)ことから製品ラインアップを強化する。ZigBeeなど近距離無線向けRFトランシーバに強いノルウェーのChipcon社買収もその一環である。また、デジタル電源など新分野開拓に向けた技術開発にも力を入れている。
(馬本 隆綱)