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上向くインド経済

[issued: 2005年8月18日]
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 インドは第2の中国ではない。インドはビジネスにおける投資とマーケティングに関しては中国とはまったく違う。インドにおけるハードウエアの製造に関心が高まっている。しかし、インドでのハードウエア製造が完全に実現したとしても、今後10年間のインドにおけるエレクトロニクス製品の生産量はわずかに増えるだけで、中国にはまったく及ばないだろう。ただし、インドは中国と違って、世界のエレクトロニクス市場で低価格を武器にして競争するための新規工場を必要としていない。インドはエレクトロニクス製品の主要生産国である前に、エレクトロニクス製品の主要市場になるだろう。

 インドでの事業を考えるのであれば、中国での事業に関する知識をすべて忘れた方がよい。なぜならインドは中国とまったく違うからだ。中国はまず輸出用の安価な製品を製造し、その後、中国市場に向けた同様の製品の開発を始めた。インドはこの順番が逆である。
 さらに中国は大量の資本を投入して生産設備を建設し、数年間は利益ゼロという状況を受け入れた。これに対してインドは、資本を抑え、利益を確保するために生産性の向上に注力している。中国政府はエレクトロニクス生産設備に資金提供するために銀行の融資を利用したが、インド政府はその計画はない。

 アジア太平洋地域の各国は、世界経済における彼らの利点、すなわち豊富な低賃金労働力を利用して生産高のシェアを獲得するのに成功した。最初にこれを実行したのは日本である。次に韓国、台湾、中国、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイが続き、現在はベトナムがこれに倣っている。これは輸出を促進して経済発展する方法である。ただし、必ずしも安価な労働力が必要なわけではない。

 インドは別の方法を選択した。能力の高い人材を使って、コールセンターなどの業務支援サービスやソフトウエア開発、設計支援サービスを輸出している。このインドの輸出促進による経済発展の方法は、知識サービスに限られていて製造には適用されないだろう。
 インドが製造に関して選択したのは、輸入代替モデルである。このモデルは、植民地時代の米国やカナダ、オーストラリア、19世紀のロシアが適用して成功した。しかし50年前のトルコやアルゼンチン、一部のアフリカ諸国では悲惨な結果に終わった。
 インドについては、世界経済の中でも相対的に見て輸入代替による発展が成功する条件を兼ね備えている。実際にインドは、1991年に大規模な経済改革が始まって以来、このモデルに従ってうまくいっている。徐々に過去の社会主義から遠ざかっている。インドの最近のGDP成長率は7~8%で、中国の9%のすぐ後に迫っている。しかも、インド経済の発展は中国より長く続くかもしれない。その理由は、中国が需要指向であるのに対してインドは市場指向だからだ。また、投資額対GDP比は中国が40%以上とかなり大きいのに対してインドは25%以内である。このことも持続性があることを意味する。

 インドには、輸入代替が不成功に終わった国々になかったものが数多くある。例えば、高度な教育を受け、技術/ビジネスの世界での共通言語である英語を話すことができる労働者が数多くいることである。さらにインドには、知的財産権を保護するための民主的機関が設立されているほか、先進諸国で生産された最新の製品を購入できる経済力のある中流クラスは数億人にも上る。
 もちろんインドにも非常に貧しい不完全雇用の労働者は多い。アジア太平洋諸国における発展の初期段階とまったく同じである。しかしインドは輸出を促進する方法では経済発展に成功しないだろう。インドの民主的機関は、農作物の価格を下げたり、余剰の労働者を沿岸部の都市の工場での単純労働に送り込むことで、農地をつぶすことを容認しないだろう。この民主的機関は1990年代初期、インドが中国の労働賃金より安くならないように労働者を保護したという経緯がある。

 インド企業は、2005年のクリスマス商戦に向けたエレクトロニクス製品を製造するための「単なる組立工場」になろうとはしていない。インド政府もこのような海外企業の進出を奨励していない。インドが求めているのは、世界レベルのエレクトロニクス製品の設計と製造、サービスをインドでインド市場に向けて提供できる海外資本や海外パートナーである。これによってインドの数多い大卒者は専門的な仕事を得ることができ、資本は製品の輸入ではなく国内の他の開発への投資に転用できる。

 エレクトロニクス製品の製造はインドの経済発展計画の中でも重要な部分になっている。しかし、他の産業と比較すると、エレクトロニクス産業は雇用や利益を生み出すものとしてそれほど期待されているとはいえない。それよりも、医薬品や機械装置、自動車の開発の方に力が注がれている。これらの産業はすべて主要な輸出産業になろうとしている。また、巨大な輸出産業である知識サービスは、今なお高い成長が見込まれ、積極的な事業展開が続いている。

(Electronic News)

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