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NECエレクトロニクス(以下、NECエレ)は2009年5月、USBの次世代規格であるUSB 3.0に準拠したホストコントローラIC「μPD720200」を発表した。同社によれば、同規格に準拠したホストコントローラICとしては世界初の製品だという。2009年6月初旬からサンプル出荷を開始し、同年9月から月産100万個で量産を開始する予定である。サンプル単価は1500円。
USBは、パソコンやデジタル家電などの電子機器において、周辺機器との接続用に非常に多くの採用実績がある。これまで、データ転送速度が1.5メガビット/秒(Mbps)の「Low Speed」と12Mbpsの「Full Speed」をサポートするUSB 1.1と、USB 1.1との互換性を持ちながら480Mbpsの「High Speed」をサポートするUSB 2.0の2つのバージョンがあった。2008年11月に仕様が固まった最新規格のUSB 3.0は、データ転送速度がUSB 2.0の10倍以上となる5ギガビット/秒の「Super Speed」をサポートする。また、USB 2.0との下位互換性も確保している。
NECエレで第二SoC事業本部 副事業本部長を務める新津茂夫氏は「Blu-rayディスクやデジタル放送などの普及により、データ容量の大きい高品位の動画を扱う機会が増えている。また、そうしたデータを格納する記憶媒体であるHDDにおいても、記憶容量が1Tバイトを超える製品が当たり前になった。このように、扱うデータや記憶媒体の容量が増大していくと、近い将来、USB 2.0では能力不足に陥る。USB 3.0は、今後5年間の技術の進化に堪え得る規格であり、対応するホストコントローラICの需要は着実に拡大するだろう」と語る。
同社は、USB 3.0は、同2.0と同じように、まずパソコンから採用が始まると見ている。2009年末には、USB 3.0に対応したパソコンが発売され、その台数は2010年に2600万台、2011年に1億4000万台、2012年に3億4000万台と急速に増加すると予想している。ただし、USB 3.0対応のホストコントローラICを搭載するパソコンの台数は、2010年は2600万台、2011年は6000万台、2012年は9000万台にとどまると見ている。これについて、新津氏は、「2011年からは、米Intel社や台湾VIA Technologies社などが提供するチップセットICにUSB 3.0の機能が内蔵されるようになる。パソコンにおけるUSB 3.0の普及は、そうしたチップセットICがけん引することになる」と説明する。その一方で、同氏は「USB 3.0に対応したパソコンと接続されるプリンタやデジタルカメラなどの周辺機器も、USB 3.0に対応するようになる。当社は、そうした周辺機器に対して、ホストコントローラICだけでなく、USB 3.0に関連する当社IP(Intellectual Property)や、IPを組み込んだASICを供給するなどして事業を拡大していきたい。なお、ホストコントローラIC単品では、年間100億円の売上高を目標としている」と意気込む。
μPD720200の主な仕様は以下のとおり。通信ポート数は2つで、動作クロック方式は、24MHzの水晶振動子、もしくは48MHzの外部クロックに対応する。動作電源電圧は3.3Vと1.05V。パッケージは10mm角/176端子のプラスチックFBGAを採用している。
また、NECエレは、μPD720200の発表に併せて、PCI Expressバスに接続可能なUSB 3.0ホストのリファレンスデザインも公開した(写真1)。ただし、同社によれば、「5ギガビット/秒のデータ転送速度を得るには、PCI Expressバスとして最新規格のPCI Express 2.0に対応している必要がある。PCI Express 1.1の場合は、2.5ギガビット/秒までの転送速度しか得られない」という。
(朴 尚洙)
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