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マルチモニター機能に1チップで対応可能なDisplayPort IC

[issued: 2009年7月号]

 日本IDTは2009年6月、Display Portを利用してマルチモニターを実現するIC「VMM1300」(商標は「View Xpand」)を発表した。一般消費者向けのパソコン用途のほか、金融、行政、メディアといった市場をターゲットとする。本格的な量産は、2009年8月に開始する予定である。

 DisplayPortは、パソコンとディスプレイの接続用デジタルインターフェースの規格である。VGA(Video Graphics Array)やDVI(Digital Visual Interface)のコネクタに代わる次世代のデジタルインターフェースと位置付けられている。デスクトップ型パソコンのモニターやノート型パソコン、テレビ受像機においてLVDS(Low Voltage Differential Signaling)に代わる内部接続としても使用可能だ。また、パケットベースの独自のアーキテクチャにより、単一のコネクタで複数のモニターをサポートすることができる点も特徴となっている。

 従来、マルチモニターを実現するには、専用のビデオカードやグラフィックスカードを使ったり、USBに接続するアダプタなどを使ったりすることで対応していた。このような方法をとると、コストや消費電力の面でデメリットが多いことに加え、USB接続では帯域幅が非圧縮データに対して不十分であったり、圧縮データを用いると画質が低下したり、CPUの負荷が大きくなり過ぎたりといったことも問題になっていた。

 VMM1300は、受信回路、ロジック回路、送信回路を1チップに集積した製品である。これらのうち、ロジック回路はDisplayPortのプロトコルをデコードする役割を担う。DisplayPort 1.1aのほか、VESA(Video Electronics Standards Association)のDirect Drive MonitorやHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection) 1.3、EDID(Extended Display Identification Data) 1.4に準拠しており、米Apple社の「MacBook」をはじめ、DisplayPortに対応したノート型パソコンやデスクトップ型パソコンであれば、容易に利用できる。DisplayPortのプロトコル処理をハードウエアによって行うため、GPU(Graphics Processing Unit)やディスプレイドライバを変更することなく使用できる上に、WHQL(Windows Hardware Quality Labs)の認定が不要である。

 1系統の入力と3系統の出力を備えているので、VMM1300を1個搭載したドングルを使用すれば、そのドングル1個で3台までのモニターを接続することができる。また、カスケード接続(デイジーチェーン方式)の構成をとった場合、DisplayPort 1.1aの帯域幅(10.8ギガビット/秒)が対応する範囲内であれば、モニターを何台でもつなぐことが可能だ。

(村尾 麻悠子)

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