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NECエレクトロニクス(以下、NECエレ)、ルネサス テクノロジ(以下、ルネサス)、日本電気(以下、NEC)、日立製作所(以下、日立)、三菱電機の5社は2009年4月、NECエレとルネサスの事業を統合することで基本合意したと発表した。2009年7月末までに統合のための契約を締結し、2010年4月1日から新会社を発足させる予定。新会社は、NECエレを存続会社とし、株式の上場を維持する。また、NEC、日立、三菱電機の親会社3社は、新会社への出資比率について、3社とも持分法対象となる20%以上50%未満とする方針である。
本件に関して、NEC社長の矢野薫氏、NECエレ社長の中島俊雄氏、ルネサス社長の赤尾泰氏、日立の会長兼社長の川村隆氏、三菱電機社長の下村節宏氏と各社のトップが出席して記者会見を行った(写真1)。
会見の冒頭、NECの矢野氏は、「2つの赤字会社が単に統合するというだけでは意味がない。まず、両社が、それぞれ単独でも生き残れるような事業構造改革を進める必要があるし、もちろん親会社3社も努力する。そして、新会社が、世界で勝てる、世界で競合を圧倒するような製品を創出できるようになり、最終的に日本の半導体の競争力強化につながるようにしたい」と語った。
統合する2社の2008年度の売上高は、NECエレが5550億円、ルネサスが6800億円(2009年1月時点での業績予想ベース)。売上高の単純合計は1兆2350億円、2008年の売上高ランキングは米Intel社、韓国Samsung Electronics社に次いで世界第3位となる。また、2008年における製品カテゴリ別の両社世界シェアを合計すると、マイコンが31%で第1位、液晶ドライバが17%で第2位、ASICが9%で第4位、アナログ/ディスクリートなどの個別半導体が5%で第5位となっている。
新会社の事業の中核は、マイコン、ASICなどのSoC(Sysyetm on Chip)、個別半導体の3つ。両社の2008年度上期業績では、マイコンが約2200億円、SoCが約2600億円、個別半導体が1750億円の売り上げとなっている。また、国内/海外の売上高比率は、両社の合計ベースで、国内が56%、海外が44%である。
三菱電機の下村氏は、「三菱電機としては、統合に向けた協議に真摯に対応していきたい。新会社が将来に向けて持続的に発展するためには、強靭な事業体質を作る必要がある。そのためにも、両社はこの1年間を正念場ととらえて、それぞれ事業構造改革を確実に進めなければならない」と指摘。
これに対して、NECエレとルネサスは、外注費/業務委託費の削減、設備投資の抑制、前工程ラインの閉鎖/売却、人件費の抑制などにより、2010年3月末までの1年間に、2社合計で2000億円の固定費を削減する計画である。NECエレの中島氏は、「新会社の初年度となる2010年度を赤字でスタートすることは一切想定していない。存続会社はNECエレだが、対等の精神で統合を進めて、両社の力を最大に引き出せるようにしたい」と意気込む。
また、5社のトップがそろってうたう「世界で勝つ」という目標に向けて、早期に海外売上高比率を50%にまで引き上げ、将来的には60%を目指すことを明らかにした。
新会社における生産拠点や製品ラインアップの統合は、新会社発足後に改めて検討することになる見込み。また、シェアに比例して多くなるマイコンの製品ラインアップの統合については、「マイコンは製品寿命が10年を超えるものもあり、すぐに統合することは難しい」(ルネサスの赤尾氏)とした。
今回の事業統合の話が持ち上がったのは、「2009年3月初旬ごろ」(NECの矢野氏)だという。その経緯については、「世界で勝つことを考え、5社のうちどこからということもなく話が出てきた」(NECエレの中島氏)と明言を避けた。また、同氏は両社の統合効果について、「両社は多くの商品で競合しているので、統合による補完効果が少ないという意見も聞かれる。しかし、事業統合では、補完効果以外に、強い製品分野をより強くできることもメリットになり得る。そして、今回の統合ではそれが可能だろう」と説明した。
(朴 尚洙)
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