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CCDを超える低照度感度のCMOSセンサー、
車載向けに105℃の高温動作も保証

[issued: 2009年6月号]


写真1 「OV7960/7962」による撮像のデモンストレーション
(左)は、一般的な室内蛍光灯を点灯した状態での様子である。左下のOV7960/7962を搭載したカメラを使って撮像した映像を右上の液晶ディスプレイに表示している。(右)は、ほぼ照明を消しており、カメラ周辺の照度は約0.4lx。液晶ディスプレイを見れば、この暗所下でもカメラにより撮像できていることがわかる。

 米OmniVision Technologies(以下、OmniVision)社は2009年4月、車載用CMOSセンサー(画像センサー)IC「OV7960/7962」を発表した。低照度の環境、つまり暗い場所において、CCDセンサーを上回る高い感度と色再現性で撮像できることが最大の特徴である。加えて、独自のCSPパッケージを採用したことにより、大幅な小型化に成功したとともに、105℃の高温動作にも対応可能になった。サンプル価格は約10米ドル。すでに、数社の車載カメラモジュールメーカーが採用を検討している。

 OV7960/7962は、OmniVision社の前面照射型CMOSセンサーの最新アーキテクチャ「OmniPixel3-HS」をベースに開発された。感度は、12V/lx・s(1ルクスの光量をセンサーに1秒間照射したとき、撮像素子から得られる出力電圧)。

 同社で車載分野のシニアテクニカル製品マネジャを務めるJeffrey Morin氏によれば、「CMOSセンサーとして世界最高の感度を達成した。これまで、車載カメラにCMOSセンサーが採用されなかった最大の理由は、暗所における感度がCCDセンサーよりも低いことだった。しかし、OV7960/7962は、CCDセンサーでの撮像が難しい1lx以下という暗所においても撮像が可能である(写真1)。当社内で“CCDキラー”と呼んでいるOV7960/7962は、車載カメラの撮像素子におけるCCDセンサーからCMOSセンサーへの置き換えを進めるきっかけになるだろう」と意気込む。

 調査会社のテクノ・システム・リサーチによれば、新車における車載カメラの搭載率は、2008年の20%から、2012年には70%まで拡大する見込みだ。そして、2012年に出荷される車載カメラの撮像素子のうち70%以上がCMOSセンサーになるという。

車載グレードのCSP

 OmniVision社は、車載向けに「AutoVision」というブランド名を新たに用意した。OV7960/7962はその第1弾製品となる。両製品は、車載用途向けの品質規格であるAEC-Q100のグレード2に準拠しており、動作温度範囲は-40~105℃である。

 これに対して、一般的な車載用のCCDセンサーは65℃までしか動作を保証していない。また、車載グレードをクリアする小型パッケージ技術「aCSP(Automotive Chip Scale Package)」を採用し、パッケージを大幅に小型化することに成功した。OV7960/7962のaCSP版のサイズは、6.67mm×7.12mm×0.71mmである。Morin氏は、「一般的な車載用CMOSセンサーが9mm角サイズであるのに対して、実装面積を約50%削減できる。CSPはかなり普及しているが、車載グレードを満足するものはあまりないだろう」と述べている。

 また、OV7960/7962は、撮像した画像の上にほかの画像を重ねて表示するオーバーレイ機能も搭載している。例えば、自動車の駐車時に車両の後方をカーナビゲーションのディスプレイに表示するバックモニター機能では、車幅や進行方向を示す補助ラインも併せて表示する。一般的なCCDセンサーを使う場合、これらの補助ラインを表示するために、別途に回路やソフトウエアが必要になるが、OV7960/7962は1チップで対応できる。

 また、オーバーレイのレイヤー数は4層あり、各レイヤーの表示/非表示を自由に選択可能である。各レイヤーは、CMOSセンサーと同じ解像度を持ち、使用できる色数は16色。各レイヤーの画像は、1フレームごとに書き換えられる。オーバーレイで表示する画像は、同社が提供するツール「Alecto.exe」を使用することで簡単に作成できる。なお、オーバーレイ用のメモリーはSPIインターフェースを介して外付けで対応する。

 OV7960/7962の主な仕様は以下のとおり。出力方式は、NTSCとPAL。OV7962は、デジタル出力にも対応する。PAL出力では、光学フォーマットが1/3インチ、画素数が656×492。NTSC出力では、光学フォーマットが1/4インチ、画素数が656×492。デジタル出力では、光学フォーマットが1/3.2インチで、画素数は752×480。電源電圧は3.3Vで、消費電力は225mW。ダイナミックレンジは60~73dB。パッケージは、aCSPに加えて、CLCC、QFP、Mini-Pacでも提供される。

 OmniVision社は、CMOSセンサーの開発/設計を行っているファブレス企業であり、1995年に設立された。現在は、携帯電話機のカメラ用途で急激に増加したCMOSセンサーの需要を取り込むことで、企業規模を急拡大している。2008年のCMOSセンサーの世界シェアは28.3%で、米Micron Technology社の子会社であるAptina Imaging社を上回りトップに位置する。チップの製造は、台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社に委託しており、組み立て工程についてはTSMC社以外の複数の企業に委託している。

(朴 尚洙)

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