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高機能携帯電話機やMID(Mobile Internet Device)と呼ばれる携帯端末の動向に注目が集まっている。ハードウエアだけでなく、米Google社らの主導により携帯電話機向けソフトウエア群「Android」がオープンソースの形態で提供されるなど、ソフトウエア分野でも新たな動きが出てきたからだ。そのAndroidに対応した商用Linux OSを提供する米MontaVista Software社のJoerg Bertholdt氏に、携帯機器向けLinux OSの取り組みなどについて聞いた。
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AndroidはオープンソースのLinuxカーネル(以下、Android OS)を搭載している。このカーネル部分を当社のモバイル機器向けLinux OS「Mobilinux」に置き換え、Android上で動作するように対応した。
Mobilinuxはすでに5000万台の高機能携帯電話機に搭載された実績がある。すなわち、Mobilinuxを利用する場合、機器メーカーはOSの品質について気にする必要がない。また、広範なハードウエア(プロセッサ)をサポートしていることや、統合開発ツールなどが用意されていることもAndroid OSとの違いとして挙げることができる。これらがMobilinux版のメリットだ。
すでにMobilinuxがサポートしているチップであれば、機器メーカーは新たにデバイスドライバを開発する必要がなく、アプリケーションソフトウエアの開発に専念することができる。しかも、オリジナルのAndroidは携帯機器をターゲットにしているのに対して、Mobilinux版は組み込みシステム全般に適用していく。そのための技術サポートも当社が万全に整えている。
米Texas Instruments社のアプリケーションプロセッサ「OMAP3(OMAP3430)」と米Freescale Semiconductor社のマルチメディアアプリケーションプロセッサ「i.MX31」をサポートしている。今後サポートを予定しているものに米Intel社の「Atom」がある。具体化してはいないが、ルネサス テクノロジのアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」シリーズに対応することも可能だ。
オープンソースのソフトウエアとは異なり、当社が供給するのはOS以外のミドルウエアも含めて、すべて動作検証を行い、可能な限りバグを取り除いたソフトウエアスタックである。
また、Mobilinuxは電源管理機能を備えている。この機能により、Android OS版に比べて、電池の消費量を80%も節約することができる。
ロイヤルティフリーというのがLinux OSの特徴だが、コストだけではなく、顧客にとってはソフトウエアの品質も重要だ。また、機器メーカーなどが独自にLinux OSを開発することもできるが、デバイスドライバの開発やソフトウエアスタックとしての動作検証に時間とコストがかかる。当社の製品を使えばサポート料は必要となるが、動作は保証されている。安心して使える点を考慮すれば、機器メーカーはかえって開発コストを下げることができるのではないか。経済環境が厳しい中、機器メーカーが開発コストを少しでも低減できれば、そのメリットは十分に感じてもらえると思う。
2009年に次期製品のロードマップを公開する予定だ。現時点では、詳細はまだ明らかにできないが、次期製品で重要な点の1つは、米Dell社の協力を得て開発を行ったことだ。OSのカーネル部やデバイスドライバ部だけでなく、MID向けのソフトウエアがすべて含まれた状態で出荷される。ベースとなるOSはMobilinuxだが、新たな機能も追加している。
これまでOSベンダーとして、さまざまなデバイスドライバの開発などに注力してきた。今後は、OSベンダーではなく、そのほかのミドルウエアなどを含めたソフトウエアスタックのベンダーであることを多くの顧客に理解してもらいたい。国内では唯一のパートナー企業である東芝情報システムとスクラムを組んで、ソフトウエアスタックの上位レイヤーの部分までサポートしていく体制を整えた。
(聞き手=馬本 隆綱)
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