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自動車向け電子デバイス事業に力を入れる企業は多い。松下電器産業の電子部品子会社であるパナソニック エレクトロニックデバイスもその1社である。国内に有力な自動車メーカーが多いことと、今後も需要の拡大が見込まれることが同分野に注力する理由だ。同社の社長を務める小林俊明氏は「自動車メーカーと取り引きを行うにはまず高い品質が第一となる。そのために欠陥を出さないゼロディフェクトを目指している」と語る。
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今後注力していく分野は3つある。「情報通信」と「デジタルAV」、そしてカーエレだ。その中でも特にカーエレに力を入れる。当社の売上高に占めるカーエレ事業の比率は2006年度で25%だが、2009年度にはこれを30%に高めたい。全社の売上高は2007年度見込みが5000億円強で、2009年度には5500億円を目指す。
自動車メーカーに対するビジネスには1つの特徴がある。それは、一度採用されると長期的に使ってもらえ、その期間は売上高が予測できることだ。しかも、グローバル市場で強い自動車メーカーが国内に何社もある。自動車メーカーにわれわれの製品の価値を認めてもらい、取り引きを行うには、まず高い品質が最優先となる。この分野にビジネスの軸足を置くなら、品質の問題を避けては通れない。自助努力で品質レベルを高めていかなければならない。そして、カーエレ向け製品で実現した高い品質をそれ以外の電子部品にも展開していく。そのためにも納期や価格、収益よりも、品質が第一だと考えている。
会社として2年前から製品の品質を強く意識してきた。2007年4月からはゼロディフェクト(不良ゼロ)を目指して取り組んでいる。自動車は部品を組み合わせて作り上げられるものであり、たった1つの抵抗やコンデンサに不良があるだけでもその影響は大きい。長い目で見れば製品品質が高いと製造コストが少し高くなってもそれを吸収できる。
電子部品業界を世界市場で見ると、日本の部品メーカーと海外の部品メーカーとの市場シェアは半々だ。何によって海外メーカーと勝負しているのかといえば、われわれの製品価値を顧客が認めてくれるかどうかである。
製品の品質を徹底的に磨くことと、当社の電子部品によって顧客の製品価値を高めてもらうこと。この2点に集約される。
ゼロディフェクトを達成するためには、まだまだやるべきことがたくさんある。全社員がゼロディフェクトに対する継続的な取り組みと健全な緊張感、危機感を持ち続けることが重要だと考えている。そうした中で、当社は大きく2つのことに取り組んでいる。1つは製造工程の管理の徹底だ。変調をきたす予兆は現場にある。例えば、歩留りの低い工程などでは「見える化」を徹底して行い、何か不具合が発生すれば製造工程にその情報をフィードバックする。2つ目は顧客からのクレームやトラブル情報の活用だ。クレーム処理のプロセスなども明確にし、ITを用いてシステム化している。そしてそれを全社的に水平展開する。
既存の製品では、カーオーディオ用のスピーカやナビゲーション用の角速度センサーは世界でもナンバーワンシェアだと確信している。ステアリング用のスイッチ事業も長い歴史がある。比較的新しい取り組みは2つある。1つはコンデンサ技術であり、ハイブリッド車では出力電圧の波形を滑らかにする平滑コンデンサがある。また、エネルギを蓄積するための電気二重層のコンデンサもある。
もう1つはセンサー技術だ。自動車の蛇行を検知して挙動を制御したり、横転したときにエアバックを制御したりするためのセンサー技術に力を入れる。角速度センサーに加え、重量センサー、加速度センサーなどを組み合わせて提供していくつもりだ。
(聞き手=馬本 隆綱)
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