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高性能アナログICの大手メーカーである米Linear Technology社。その品質/信頼性部門のトップが来日し、日本の自動車電装品メーカーにアプローチをかける。同社は欧州の自動車電装品市場向けで業績を拡大し、日本市場でも積極的な活動を展開する。ゼロディフェクト(不良ゼロ)が求められる日本市場でどのように対応していくのか。Linear社で品質/信頼性部門のバイスプレジデントを務めるPaul Chantalat氏にその取り組みなどを聞いた。
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1981年の会社設立以来、最良の信頼性と品質の高い製品を提供するためのプログラム「QRS(Quality, Reliability & Service)」に基づいて企業活動を行ってきた。当社の創業者でもあるRobert Swanson会長は、創業当時から「品質」に注視してきた。品質へのこだわりは今日でも当社の企業文化となっている。
最も大事なのは、出荷した製品が顧客に不良品と判定された時点で、関係者が集まってすべての問題について話し合うことだ。その内容は、基本的に経営陣が参加する定例会議や製造のための会議などで検討する。品質向上に向けて問題の原因を分析し、すぐに改善のための策を施す。
社員全員を対象とした教育プログラムもある。当社は品質に関する方針として「ゼロディフェクト」、「仕事を正確に行え」、「継続的な改善」の3つを掲げている。製造部門の社員、あるいは優秀な社員だけがこれらを意識するのではなく、営業部門なども含めてすべての部署の社員が対象となる。「設計の品質」、「製造の品質」、「カスタマーサービスの品質」という3つの軸に基づいて全社ベースで取り組んでいる。
設計部門は「ICデザインハンドブック」を作成している。そのハンドブックには設計の基本となる考え方や守るべきルールなどが記述されている。例えば、設計した製品の回路図や生産性に関する情報、テスト容易性に関する情報などが含まれる。そして、顧客が長年要求している品質レベルと多くの要件などに対応した設計を行うための指針が盛り込まれている。ハンドブックに基づいて世界のデザインセンターが1つの品質基準で設計を行っている。
日本の顧客は品質に対する要求がとても厳しく、ゼロディフェクトが求められる。そのため当社では、日本の顧客からの要求に応えるための特別な自動車業界向けプログラムを2006年に策定した。これまでの経験を生かし、特別な製造プロセスを採用して、組み立て工程でも従来よりさらに厳しい検査を行っている。例えば、自動車向け製品では、製造ロットごとにワイヤーボンディングした部分をあらゆる角度から走査型電子顕微鏡で検査している。できる限りゼロディフェクトの実現に近づけることや、いろいろな製品要求を満たし、コスト的にも見合うようにすることを目指してプログラムの改善も行っている。
当社の製品はアナログ製品ということもあり、その使われ方によっては、われわれの予期しなかった不具合が発生する可能性がある。これをなくすために、日本の顧客にも、回路基板上で当社の製品がどのように使われているのかを実際に見せてもらうようにお願いしている。それによって、当社製品の使われ方が分かり、テストカバレージ(検査補償範囲)をチェックすることができる。
当社は原因の追求を素早く行う約束をして、その分析を徹底的に行うことにしている。当社の場合、不具合に対処するための分析はすべて米国本社にチップを送って行う。このため、緊急な場合、3日以内には電気的な検査/分析の結果についての第1報をユーザーに連絡できる。さらに1~2週間以内に対策を含む報告書を提出できる。以前は、分析結果を報告するまでにもっと時間を要していたが、ここ半年間で検査用の機器をそろえ、分析を行うエンジニアの数も2倍に増やした。
(聞き手=馬本 隆綱)
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