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2007年10月2日~6日、千葉県の幕張メッセでエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2007」が、「見える、感じる、デジタルコンバージェンス最前線。」をテーマに開催された。ソニーの有機ELテレビをはじめとしたテレビの薄型競争が話題になる中、4日間の来場者数総計が2001年の初開催から初めて20万人を超え、盛況のうちに幕を閉じた。
900近くの出展社による多数の展示の中で、本誌は、半導体/電子部品メーカーが出展する「電子部品・デバイス&装置ステージ」に注目した。ここでは、自動車向け部品、静電容量センサーを利用したユーザーインターフェース、Wireless USBに関する各社の展示についてまとめる。
前回から、半導体/電子部品メーカーが力を入れるようになったのが自動車産業向けの展示である。今回は、日産自動車が初出展するなど、自動車関連製品への注目度が高まっている。ここでは、車載向けのセンサーとマルチコアプロセッサを取り上げる。
●車載システムを支える多様なセンサー
センサーは、自動車の電子化を進める上で重要な役割を果たすデバイスである。衝突回避や運転支援を実現する「予防安全(active safety)」機能をはじめ、自動車は常により小型、低価格で、高精度の検知が可能なセンサーを必要としている。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST社)は、オランダMobileye社と共同開発中の「高度運転補助システム」のデモンストレーションを行った(図1)。ST社のCMOSイメージセンサー「VL5510」と、Mobileye社の画像処理プロセッサ「EyeQ-1」により、車線、ほかの車、歩行者などを認識するというものだ。
VL5510では、高い性能が得られる「HCMOS9i」という0.13μmの製造プロセスを採用し、また各画素に対数変換回路を付加したことにより、ダイナミックレンジを120dBにまで高めた。トンネルへの侵入時、トンネル通過後の明暗差の影響がなくなり、夜間でも画像認識が可能になるという。
また、ST社は、携帯電話機やゲーム機などの民生機器向けに、MEMS(micro electro mechanical systems)技術を応用したセンサーの製品展開を行っている。今回のCEATECでは、既存の加速度センサー以外に、2008年から圧力センサーと角速度(ジャイロ)センサーをラインアップに追加するとともに、これらMEMSセンサーの自動車向け展開を2008年から始めることを明らかにした。
アルプス電気は「SENSORING」をテーマに、多数のセンサー新製品を展示した。自動車用では、ステアリングの舵角検出用に独自開発の高精度磁気センサーを使ったリング型のセンサーモジュールを参考出品した(図2)。ステアリング軸に付いた歯車の回転を伝達して検出するピニオン型モジュールも同時に展示していたが、リング型はリング内部のギアにステアリング軸をつなぐことで、下側の四角い部分に組み込んだ磁気センサーが、0.1度以下の高分解能で回転角を検出するという。
圧力センサーでは、ピエゾ抵抗型と静電容量型の2種類をそろえ、いずれも2007年11月からサンプル出荷を開始する。ピエゾ抵抗型は、小型/薄型で分解能が0.01kPaと高いことからカーナビの道路高低差検知用に、静電容量型は動作温度範囲が125℃までで消費電流がマイクロアンペアレベルと低いことからタイヤ空気圧の監視システム用に提案する。
タイコエレクトロニクスは、非接触式センサーモジュール技術の展示を行った。図3(右)の磁石と磁気センサーの組み合わせによるブレーキペダルスイッチは、接触式に比べて故障が少なくなることから欧州で採用が広がっているという。また、図3(左)のブレーキストロークセンサーは、コイル(電磁石)と磁気センサーの組み合わせにより、ブレーキの踏み込み量をリニアに検知できるというものだ。ブレーキそのものでの採用はまだないが、クラッチフリートランスミッションや回生ブレーキなどに同じ構造のセンサーモジュールが採用されている。これらのセンサーモジュールでは磁気センサーはサードパーティ品を採用しているが、磁石やコイルの構造に独自性を持たせることで差別化を図っている。
●マルチコアはカーナビから
パソコン、サーバーにおけるマルチコアプロセッサの利用はすでに一般的になっているが、自動車用をはじめ組み込みマイコンのマルチコア化の動きも本格的になってきている。
ルネサス テクノロジは、32ビットマイコンコア「SH-4A」を4個搭載した試作チップを使ってマルチコア技術のデモを行った(図4)。動作周波数は600MHzで、1コアで1080MIPS、4コア総計で4320MIPSの処理能力を持つ。消費電力は600MHz動作時で1コア当たり0.36Wとなっており、単純計算では4コアで1.44Wとなる。1つのOSで行う処理に対して各コアの処理能力を割り当てることができるSMP(symmetric multi processing)構成に対応しており、各コアにOSを割り当てるAMP(asymmetric multi processing)構成と混在させることもできる。SMP構成で動作させる場合、SMPに対応したOSが必要になるが、このデモでは独自に開発したLinuxカーネルを使用した。開発担当者によれば、「カーナビ用マイコンとして2008年の製品化を目指している。ただし、製品化時のコア数が4つとは限らない」という。
CEATEC初日に当たる10月2日には、NECエレクトロニクスがカーナビゲーション用システムLSI「NaviEngine(ナビエンジン)」と、カーナビ用マイコン市場への本格参入を発表した。同LSIは、英ARM社と共同開発したマルチコア技術「MPCore」に基づくCPUコアを4個搭載している。その処理能力は、400MHz動作時に1コア当たり480MIPS、4コア総計1920MIPSで、カーナビ用マイコンとしては発表時点で業界最高性能だという。消費電力は、高性能カーナビ用マイコンの上限とされる5W以下に抑えている。
自動車の電子化が進む中で、情報/安全系システムと車両/車体制御系システムが、カーナビなどの車載情報システムを核に融合していくと予想されている。マルチコアマイコンの技術開発では、さらなる機能拡張を求められているカーナビが最初のキーアプリケーションになりそうだ。
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