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現在の組み込みソフトウエアは、爆発的ともいえるほど急激に規模を拡大している。そのため、開発効率の向上が求められていることは周知の通りだが、それとともに大規模開発に対応する質的な変化も求められていると筆者は考える。このことは狭義のソフト開発(コーディング)という範囲にとどまらず、システムの要件定義や機能設計などにおける上位設計ツールを用いた開発方式への対応、各設計工程におけるテストの自動化などにも当てはまる。また、開発をV字プロセスとして考えれば、上流設計で作った仕様をそのままテスト工程で使用することなども求められるだろう。
このような設計/開発プロセスを通しての相互連携やデータの流用、さらにはツールチェーンとしてのシームレスな連携動作などを実現するためには、各種ツールが連携して動作可能なプラットフォームが必要となる。そして、そのようなプラットフォームはEclipse以外には存在しないといっても過言ではない。
仮に、そのようなプラットフォームをいずれかの企業が単独で提供できたとしよう。しかし、その場合には寡占状態によるプラットフォーム支配の問題と、サードパーティがそのプラットフォームに対応した製品を提供するかどうかという問題が生じるものと考えられる。
その点、Eclipseは公開されたプロセスと、公平なルールをベースとした民主的な決定方法による組織運営の下に開発されているオープンソースのソフトウエアである。従って、寡占の問題も参入に当たっての障壁も存在しない。その成果物は、各社が無料かつ自由に自社の開発ツール製品に取り込むことが可能なのだ。
このような状況から、今後、中長期的には、ソフト開発を中心にシステム開発を行うツール類ではEclipse対応が進むであろうと考える。現に米国、欧州さらにはBRICs諸国においてもこのような動きがこの数年加速してきている。ただ、惜しむらくは日本国内においては、このような動きに十分に追従できていないように思えることだ。
Eclipseファウンデーションの扉はいつでも開放されている。国内各社も、各Eclipseプロジェクトで開発されているプラットフォームの利用からスタートし、プラットフォームの共同開発に参画するレベルへと歩みを進めていただくことを期待したい。
2005年3月の「EclipseCon*8)」において、組み込み機器関連の企業が集まり、Eclipseの組み込み向け拡張についての話し合いが行われた。このときの話題は、主に組み込み機器用のデバッガに関する技術的課題についてであったが、Eclipseのいくつかの部分に関して、もっと一般的な方法で拡張を行う必要があるという結論が得られた。
このミーティングを受けて、組み込み機器向けの拡張と標準化を進めるために、DSDPプロジェクトが短期間のうちに計画された。Wind River社はEclipseファウンデーションにストラテジックパートナとして加入するとともに、2005年3月に公式にプロポーザルを提出した。
同じ時期、富士通もWideStudio/MWTのEclipse版を作るプロジェクトの設立を検討していたが、2005年4月末に来日したEclipseファウンデーションのMike Milinkovich会長との会談時に、組み込み機器にフォーカスした新しいトッププロジェクトへの参加を勧められた。そこで富士通は急きょ、米国で開催中のWind River社のカンファレンスを訪問し、同年5月25日にDSDPのプロジェクトリード(Lead)であるDoug Gaff氏と話し合いを行った。その結果、提案中のDSDPにNABプロジェクトの提案企業として参加することとなった。
その後、コミュニティによるレビューが行われ、2005年6月8日にDSDPプロジェクトは組み込みソフト開発にフォーカスしたEclipeの6番目のトッププロジェクトとして正式に発足した。
プロジェクトの運営はEclipseの運営ルールに沿って6人のプロジェクトリードで構成されるPMC(project management committee)によって行われ、決定が必要な事項などは投票により決議する。具体的には、PMCメンバー専用のメーリングリストによる議論と、2~4週に1回行われる電話会議によってDSDPプロジェクトは運営されている。
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改めて考える
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