高周波アナログ技術で成否を分けるもの TDKは、固定WiMAX/モバイルWiMAXに対応した製品ラインアップを2007年春に量産可能なレベルでそろえていることを明らかにしている。具体的には、アンテナとトランシーバICとの間で使用するダイプレクサ、バンドパスフィルタ、バランを10数品種、開発済みだという。対応する周波数は2.5GHz帯、3.5GHz帯が中心で、2.3GHz〜3.9GHzの範囲をカバーする。
これらの部品は、LTCC(low temperature cofired ceramic:低温焼成セラミックス)技術を用いて製造する。異なる周波数帯に対応するには、それに応じた部品の設計が必要となる。求められるスペックを満たすためには、誘電率の異なる薄いセラミック基板を何層にも組み合わせて使用する。例えばバンドパスフィルタであれば4〜5個程度の素子で構成することになるが、そのためのセラミック基板の数は20層にも及ぶ。TDKは、材料のレベルからLTCC技術に対応しているため、各層に対して細かい調整を行って製品の特性を実現できるという。
とはいえ、こうしたアナログ部品の回路設計には、微妙なさじ加減が要求される。もちろん、コンピュータを使った回路シミュレーションをベースとして設計を行うわけだが、設計値と試作品の実力値は必ずしも精度良くマッチしない。当然、カットアンドトライ的な対処も必要になる。言い尽くされてきたことだが、そこで重要になるのは、そうしたミスマッチを解消するためのノウハウの蓄積だ。
また、焼成セラミックでは、寸法ばらつきを抑えることすら簡単ではない。従って、製造プロセスに起因するばらつきの制御の難易度は高い。そのため、製造上、鍵となる設備は、TDKが自社で開発しているという。
(飴本 健)
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