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2006.2
デジタル民生機器がけん引、
90nmFPGAを累計1000万個出荷
 米Xilinx社は、90nmプロセス技術で製造したFPGAの累積出荷個数が2005年8月の500万個突破に続き、12月下旬に1000万個を越えた。90nm製品出荷のほとんどがデジタル民生機器に向けたSpartan-3(図1)で、日本市場が量的拡大に大きく貢献した。
 日本法人の社長を務める吉澤仁氏(写真)は、Spartan-3が伸びた大きな理由を2つ挙げる。1つは市場における製品サイクルが短くなる中で、マスクプログラマブルなASICは製品の開発サイクルに合わなくなっている点。2つ目がプロセスの微細化により、90nmプロセスのASIC開発コストが1億円を超えることだ。「成功するかわからないプロジェクトに巨額な開発投資を行える機器メーカーはほんのわずかだ。リスクが少ないFPGAはそうしたASIC分野に市場を広げてきた」と同氏は言う。
図1 Spartan-3ファミリ
 地域別に見ると、日本やアジア地域での伸びが大きい。具体的な数値は明らかにしていないが、「WSTSの予測によると、2005年の日本半導体市場は前年比2.8%減であるのに対し、日本法人の売上高は2桁の伸び」という。
 応用分野では光ファイバ端末機器や通信センター用機器向けなどが90nmプロセスのFPGA需要をけん引した。薄型テレビやDVDレコーダなどデジタル家電向けも伸びた。薄型テレビではガンマ補正やシャープネスといった色調整回路や画像処理回路などに採用されている。DVDレコーダはフルハイビジョンなど高品位映像への移行に伴って、FPGAがコプロセッサとして使われるようになった。
 吉澤氏はその理由として「フルハイビジョン対応のDVDレコーダは、6カ月単位で新製品の開発が行われる。しかも、機種数は北米向けや欧州向けなど10機種に及び、新製品の垂直立ち上げが必要となる。このため設計から量産までに時間を要するASICでは開発が間に合わず、機器メーカーは開発期間の短縮をFPGAで吸収している」と一例を挙げる。
 これらの用途にはSpartanシリーズが使われることが多い。簡単な制御を行うため独自アーキテクチャのプロセッサコア「MicroBlaze」を組み込み、色補正など画像処理するための乗算器を内蔵する。
 自動車向けではドライバ・アシスタントシステム関連がある。居眠り防止の研究が盛んになっており、そこにFPGAの採用が検討されている。実用化は4〜5年先になる見通しだ。車載向けはXAシリーズを発売している。品質管理システム規格であるISO/TS 16949の認証も取得している。

通信と放送の融合

 今後のFPGA戦略の中でキーワードの1つとして、通信と放送の融合に代表される「デジタルコンバージョンの進展」を挙げる。光ファイバを通じて、家庭用機器にはフルハイビジョンやスーパーハイビジョン対応のコンテンツが大量に送られてくる。こうした状況の中で吉澤氏は「2010年に向けて新市場が創出されつつあるが、通信と放送の融合を支える規格や仕様の標準化はまだ十分ではない。テクノロジートレンドが固まっていない状況では、FPGAの採用が進む」との見方を示した。

45nm世代でASICに並ぶ

 半導体チップはムーアの法則に従い、プロセスの微細化が1世代進むと、同じ機能であればチップサイズと製造コストは半分になる。65nm〜45nm世代になると、ASSPやASICがカバーしてきた機能や性能もFPGAで対応できるようになり、「チップの性能も、45nm世代にはFPGAがASICに並ぶ」と見ている。例えば、積和演算器をカスケード接続すれば並列処理が行える。コンベンショナルなDSPとは違う。同社は並列度の高い信号処理用途をFPGAで狙う。
 逆にASICの開発費用は膨大となり、かなり大きなヒット商品に搭載されなければ、開発投資を回収できなくなる状況にある。
 同社は、FPGA用のIP強化にも取り組んでいる。その1つはプロセッサコアで、MicroBlazeと「Power PC」が利用できる。次の柱は高速シリアルインターフェース関連のIPだ。通信・ネットワーク機器などに向けたFPGA「Virtex」は2.5Gビット/秒で動作するPCI‐Xpressをサポートしている。SpartanシリーズはオランダPhilips社の高速トランシーバを組み合わせて使う。さらに、10GビットイーサネットやFibre ChannelなどのIPコアを自社開発やパートナーと協力してそろえていく。信号処理用IPではMPEG-4やH.264などマルチメディアコアをパートナーと共同開発していく。 (馬本 隆綱)

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